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トーナメント
昼過ぎ。
駐車場に着くと、雁屋は困り顔で煙草をふかしていた。
「どうしたんだ、湿気たツラして。」
声をかけると、振り向いた。
「あぁ、上角…。レイヴのことで、ちょっとな…。」
早速、話題が切り出された。
「その”レイヴ”のこと聞きに来たんだよ。
詳しく聞かせてくれ。」
「あぁ…。」
雁屋が灰を地面に落とす。
「バウトが四か所でやってんのは知ってるだろ。
四大チームがそれぞれ胴元やって。
…まぁ、ウチのチームは開店休業だけど。」
雁屋のチームはライデン。
バウトの”発祥”となったチームだ。
格闘技経験のある不良たちの腕試し、それでできた集団。
ここ――高架下の駐車場で。
いわば、伝統派。
そう言うと笑えるが、そんなところだ。
他の場所は、ライブハウスなんかでやっているらしい。
もっと、イケてる感じで。
オレは、近いってだけでここに通っている。
雁屋が、煙草の火を靴で消す。
「紀藤のとこが、四つの場所から代表者出してトーナメントやろうってよ。
賞金出すからだとさ。
正式名称は、G-RAVE。
Gはグラディエイターとか、そんな意味らしい。
…グレイヴ(墓場)って言ってる奴らもいるがな。」
紀藤。
…あの男か。




