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バイト後
空は濃い群青に変わっていた。
街に明かりが灯されている。
夜の風は、まだ冷たさを残していた。
相間邸。
玄関先で、封筒を差し出す。
「いつもありがとうね、空斗くん。」
柔らかな声。沙月の母だった。
「いいのよ。無理しないで。」
「そういうわけにもいかないので。」
親戚価格で、かなり割安にはしてもらっている。
なんとなく、そこの一線は、守らなくてはと思う。
軽く頭を下げて、封筒を渡す。
そのとき、奥から沙月が顔を出す。
「空斗。夕飯、食べてく? カレー。」
(カレー……。)
空腹を意識させるその言葉に、抗う術は見つからなかった。




