倉庫の交戦4
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断ち切られた腕が、床に転がって鈍く音を立てた。
巨漢はよろめきながらも、まだ立っていた。
血を撒き散らし、肩で荒く息をしている。
遊馬は構えを崩さず、静かに間合いを詰める。
刃先がわずかに傾き、光を反射した。
「……しぶといな。」
乾いた声。
そして、もう一歩踏み込む。
短刀が振り下ろされ、巨漢の膝が崩れる。
腹部、胸、そして首へと、連続の斬撃。
巨漢の動きが鈍り、膝をついた。
警戒しながらも、ゆっくり近づく遊馬。
(止めを――刺す気か)
空斗が息を呑む。
「おい」
その足が、気づけば勝手に前へ出ていた。
遊馬は声を無視し。刃を構え直す。
空斗が、その肩を掴む。
「殺すつもりか。」
短く、荒い声。
手に力がこもる。
遊馬の動きが止まった。
顔は前を向いたまま。
視線は巨漢から逸れない。
ただ、低く、押し殺した声だけが返る。
「……離せ。」
冷たい一言。
その刹那――
「――ォオオオオッ!!」
巨漢の咆哮。
床を踏みしめ、血飛沫が弾けた。
左腕が大きく振りかぶられ、
鉄のような拳が音を立てて空気を裂く。
「っ……!」
遊馬は即座に反応した。
一瞬の判断。
遊馬は体を反らせ、空斗に体当たりをかけた。
「どけッ!」
空斗の体が弾かれ、棚の支柱に背をぶつける。
遊馬はそのままの勢いで、剛腕を避けようとした。
だが――遅かった。
「ぐっ……!」
衝撃。
巨漢の拳が交差した遊馬の腕にめり込む。
その体が宙を舞い、床を滑る。
転がった拍子に、手から短刀が離れ、
金属音を響かせ、コンクリートを跳ねた。




