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Rouge Noir(ルージュ・ノワール) ー赤い刃と黒い獣ー  作者: GreatGameGlobe
第一章 アンガーアンマネージメント
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倉庫の交戦4

***


断ち切られた腕が、床に転がって鈍く音を立てた。

巨漢はよろめきながらも、まだ立っていた。

血を撒き散らし、肩で荒く息をしている。


遊馬は構えを崩さず、静かに間合いを詰める。

刃先がわずかに傾き、光を反射した。


「……しぶといな。」


乾いた声。

そして、もう一歩踏み込む。


短刀が振り下ろされ、巨漢の膝が崩れる。

腹部、胸、そして首へと、連続の斬撃。

巨漢の動きが鈍り、膝をついた。


警戒しながらも、ゆっくり近づく遊馬。


(止めを――刺す気か)


空斗が息を呑む。

「おい」

その足が、気づけば勝手に前へ出ていた。


遊馬は声を無視し。刃を構え直す。

空斗が、その肩を掴む。


「殺すつもりか。」


短く、荒い声。

手に力がこもる。


遊馬の動きが止まった。

顔は前を向いたまま。

視線は巨漢から逸れない。

ただ、低く、押し殺した声だけが返る。


「……離せ。」


冷たい一言。

その刹那――


「――ォオオオオッ!!」


巨漢の咆哮。

床を踏みしめ、血飛沫が弾けた。

左腕が大きく振りかぶられ、

鉄のような拳が音を立てて空気を裂く。


「っ……!」


遊馬は即座に反応した。

一瞬の判断。

遊馬は体を反らせ、空斗に体当たりをかけた。


「どけッ!」


空斗の体が弾かれ、棚の支柱に背をぶつける。

遊馬はそのままの勢いで、剛腕を避けようとした。


だが――遅かった。


「ぐっ……!」


衝撃。

巨漢の拳が交差した遊馬の腕にめり込む。

その体が宙を舞い、床を滑る。

転がった拍子に、手から短刀が離れ、

金属音を響かせ、コンクリートを跳ねた。

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