VIPS
土曜の昼過ぎ。
F4の件が気になり、足は自然とバウト場へ向かっていた。
到着すると、そこはいつもと違う喧騒に包まれていた。
試合は始まっていない。
不良たちの数はまばらだが、空気には妙な熱がこもっている。
無言で奥の雁屋のもとへ向かう。
「よう、上角。昼間っからとは珍しいな。」
「あの話が、気になってな。」
辺りを見回す。
「どういう状況だ?。」
雁屋は、肩を竦めて溜め息を吐く。
「見て分からねぇか?」
「…復讐する気か。」
「あぁ。思ったよりでけぇ動きになってる。」
辺りを煙草で指し示す。
「F4の身内だけじゃねぇ。別チームの連中まで乗っかって、探し回るんだと。ご苦労なことだ。」
やれやれと塀にもたれかかる。
「二人死んだって話だからな。本気のやつもいるが、半分以上は面白半分だ。
数は三十人前後。大分、盛り上がっちまってる。」
携帯で連絡を取るやつ。仲間に指示を飛ばすやつ。バイクでどこかへ走り出すやつ。
バウターたちは、それぞれに慌ただしく動いている。
「ほら、珍しいのも来てるだろ。」
雁屋が駐車場の一角を顎で指した。
見慣れぬバイクの集団が、黒い車を囲んでいる。
「レイヴンか?」
「いや、VIPSだ。」
VIPS。駅を挟んだ向こう側、オフィス街の辺りを拠点にする四大チームの一つ。
この辺には、ほとんど顔を出さない。
ヤクザとの繋がりとか、潰したチームの噂とか――どれも真偽は分からないが、悪名は聞こえてくる。
車のドアが開き、一人の男が降りる。
剃り込みでギザギザの坊主頭、蛇皮のジャケット。
金属の指輪にネックレス。
妙に派手で、歩くだけで空気をざらつかせる。
「あれが紀藤か。」
「あぁ。名前の通り、毒蛇みたいな奴らだ。」
毒蛇?
…あぁ、”VIPER”と掛けてんのか。
「おぉ、久しぶりじゃねぇか雁屋。元気にしてたか。」
腹に響く低い声。自信に満ち、どこか人を見下ろす声色。
雁屋を見つけた紀藤が、仲間を引き連れてこちらに来る。
「お前ほどじゃねぇよ。」
そっけなく返す雁屋を無視して、紀藤は笑う。
「それにしても、たった一人にチームが壊滅とはな。バウトの威信に関わるぜ。」
「バウトに威信なんてあったか? それに……前にもあったろ、そんなこと。」
一瞬、紀藤の眉が動く。
「ハバキのこと言ってんのか? あんなバケモノ、そうそういてたまるか。」
吐き捨てるように言うと、すぐに空気を引き締める。
「とにかく、この件は俺が仕切る。それだけだ。お前ら、余計なことすんじゃねぇぞ。」
そう言い捨て、こちらにも睨みを利かせて去っていく。
「バウターは基本、自由だろうが……」
雁屋はため息をつき、あちこちで動き始める連中を見回した。
「でもよ、警察が動いてんだから、やめときゃいいのにな。」
呆れ顔で呟く。
「……お前は、どうすんの?」
雁屋が小さく問う。
「…何か動きがあったら、連絡くれ。」
それだけ言い残して、踵を返す。
「……あらら、お前もかい。」
雁屋の苦笑交じりの声。
「ほんと、落ち着かねぇ街だな。」
一人ごちの声を背に、その場を後にした。
作中でも言ってる通り、VIPSはVIPとVIPERを掛けたのですが、
ネット歴長い人だと、”ビッパー”を連想しちゃうんじゃないかと心配しました
でも、こいつら若いから、”知らないで名乗ってる”ので、いいでしょう
―以下、作品内容とは関係ありません 前回の続き
”厳しい”も認識が違いました
AIさんは”否定”みたいな意味で使っていました
某有名企業のAIでの話です
厳しめ評価を聞いて、おかしなこと言うので、やり取りしてたら
さっきの批判と矛盾したことを言います
で、気づきました これは批評、批判ではなく、もはや否定だと
”否定”などしていないと、と答えていましたが
詰めたら、”否定するための否定をしていた”、と応えました
”厳しい”=”否定”
そこは他のAIも同じようです(論理検査も否定前提だそうです)
これが学習の結果なのです
人間の行動が、”そう”だということでしょう
反省せよ、人類(何様)
なので、私は ”論理評価で”と注文するようになりました
(ChatGPTはモードがあるから、それ以外)
私はスキル「論理評価を聞く」を手に入れました。
で、あと三つ分かったことがあります つづく




