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ギルド嬢は、こっそりヒミツを暴きたい!  作者: 田古 みゆう


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6-29

 見る間に、タニアの眉間にしわが寄る。

 タニアの怒りを表すように、湯沸かしがシューッと湯気を吐き出した。

 タニアは深呼吸をしてなんとか気持ちを落ち着かせると、少女に向き直りにっこりと微笑む。

 しかし、あまり冷静になりきれなかったようだ。

 出てきたのは、相手を挑発するような台詞だった。


「セリオは誰かとつるむなんてことはしないみたいよ。そんなことも知らないの? まぁ、あなたみたいに相手の都合も考えず、突然押しかけてくるようなお子様は、セリオが最も避けたくなるタイプだものね」


 タニアの言葉に、少女の眉がぴくりと動く。屈辱で顔が赤くなっている。

 少女はわなわなと震えながら立ち上がると、タニアに向かって指を突きつけた。

 その目は血走っているが、それでもなお美しい顔立ちだ。しかしその表情は、般若のごとく恐ろしいものだった。


「はぁ? 私のどこがお子様だって? しっかり見なさいよ! どう見たって、年頃の貴族令嬢じゃない。あんたみたいな貧相な小娘よりも、よっぽど私の方がセリオ様の隣にふさわしいのよ!」


 自分のことを貴族令嬢だというわりに、その言動には品性の欠片も感じられない。

 しかし、頭に血が上っているタニアはそんなことに気づくはずもなく、売り言葉に買い言葉とばかりに応戦する。


「アタシのどこが小娘なのよ! 初めての場所で自分勝手に騒ぎ立てるあなたの方が、よほどお子様じゃない! セリオは、あなたみたいな娘、絶対に相手にしないわ」


 少女とタニアはしばし睨み合った。しかし、やがて少女はふんっと鼻を鳴らす。


「いいわ。そこまで言うならどちらがセリオ様にふさわしいか、はっきりさせましょう」

「ええ。望むところよ。セリオのことは正直どうでもいいけど、小娘呼ばわりされたままじゃ、アタシも引き下がれない」


 タニアは、少女に負けじと鼻息荒くそう言い切った。

 少女はそんなタニアを、まるで小馬鹿にするように見やる。

 そして、不遜な笑みを浮かべたまま言い放った。


「まぁ、結果はやる前からわかっているけどね。なんたって、セリオ様は私の運命の人だもの」


 あまりに自信たっぷりに言い放つ少女。

 しかし、タニアはそんな少女の態度を気に留めることなく、それどころか見下すような視線を向けると、面倒くさそうに言い放つ。


「あーそうですか。セリオも大変ね。変な子に付き纏われて。それで、アタシは何をしたらいいわけ?」


 タニアの態度が気に入らなかったのか、また少女の目が吊り上がる。

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