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ギルド嬢は、こっそりヒミツを暴きたい!  作者: 田古 みゆう


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6-25

 タニアが空になったカップを置いた瞬間、ジャックスがぽりぽりと頬をかきながら、気まずそうに口を開いた。


「お、おい。何をそんな呑気に茶なんて飲んでるんだ。婆さんを追わなくていいのか?」


 しかし、タニアは勢い良く手を振った。


「いいのいいの。ばぁちゃんいつも言ってたんだ。アタシがいなければ、また旅に行けるのにって。家族でもないのにアタシ、これまでばぁちゃんに迷惑かけてばっかりだったからさ。本当は、厄介払い出来て喜んでるんじゃない?」


 タニアはそこで言葉を区切ると、ジャックスとセリオを交互に見つめる。そして、にっこりと微笑んだ。しかし、その目じりには光るものがあった。

 それが強がりであることは、誰の目にも明らかだった。

 ジャックスはそんなタニアの様子に大きく息を吐く。


「ハァ。ガキが一体何を遠慮してるんだか。血の繋がりなんかなくたって、お前たちは十分家族だ。少なくとも俺にはそう見えた」


 ジャックスの少しぶっきらぼうな言葉に、タニアは一瞬顔を輝かせる。


「そう……かな?」


 嬉しさと戸惑いが混ざったような複雑な表情を見せるタニアに、セリオも面倒くさそうに口を開いた。


「きみのことが大事じゃなければ、あんな風に怒鳴り込んではこないさ」


 当たり前のことだと言わんばかりにセリオは呆れ顔を見せる。ぶっきらぼうな物言いだったが、その言葉には優しさが満ちていた。


 タニアは、そんな二人の顔を交互に見比べ、そして、へにゃりと笑う。


「ばぁちゃんさ、父さんたちと同じで、多分冒険者だったんだと思う」


 タニアはノルダの出ていった扉を見つめる。まるでノルダの姿を追うように、その視線は遠くへと向けられていた。


「婆さんが、冒険者?」


 タニアの言葉に、ジャックスが興味深げに問いかけた。


「はっきりと聞いたことはないんだけどね。でも、自分の家にいるのに、いつもどこか居心地が悪そうだったの。本当はふらりとどこか遠くに行きたかったんだと思う。でも、アタシがいたから……」


 タニアは、そこで一旦言葉を区切る。そして大きく息を吸ってから続けた。

 その目に力が籠っている。気持ちに区切りをつけたようだった。


「冒険者は根無し草なんだって、昔、ばぁちゃんに聞いたことがある。自由に過ごしたいんでしょ? だったら、これからはばぁちゃんが望んだように暮らしてくれればいいや。それで時々……本当に時々でいいから、ここに立ち寄ってくれて、元気な顔を見せてくれればそれでいい!」

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