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ギルド嬢は、こっそりヒミツを暴きたい!  作者: 田古 みゆう


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6-22

「どこの馬の骨ともわからない輩が、突然家にいたのでは、ご心配なのもわかります。ですが、俺は本当にタニアの仕事仲間で怪しいものじゃないんです。ああ、もちろんあの人も怪しくないですよ。師匠、身分証を」

「お、おう」


 セリオに促されて、ジャックスは懐から身分証を取り出す。

 老女の顔色を伺いながらそれを差し出すと、ノルダはしぶしぶそれを受け取った。


「偽物なんかじゃありません。じっくり見てもらって大丈夫ですよ。さ、席へどうぞ」


 セリオは話の流れを巧みに操り、ノルダの警戒心を緩めていく。どさくさに紛れてノルダを席へと座らせると、タニアにお茶の準備をするよう、こっそりと耳打ちした。


 ノルダは渡されたカードとジャックスを渋い顔で見比べていたが、やがてその目が大きく見開かれた。


 ジャックスの身分証には、しっかりとプレースメントセンターの職員であることが記されている。しかし、ノルダが目を留めたのは、そこではないようだった。


 ノルダは身分証をサッとジャックスに返すと、タニアの様子を伺う。タニアはまだお湯を沸かしていて、しばらくは戻って来そうになかった。


 ノルダはタニアには聞こえないように、声をひそめてジャックスに尋ねる。


「王家公認の一級冒険者ライセンス持ちなど、この街にはそうそういない。あんた、何者だい?」


 ジャックスはただ静かにノルダを見つめ返す。

しばらくの間、ジャックスとノルダの間で無言の攻防が続いた。

 やがてジャックスが静かな声で答えた。


「俺は、昔ちょっとばかし暴れ回っていただけの、しがない平民さ。今は、プレースメントセンターの所長をしている。それ以外、何者でもない。こいつの身元も俺と同じようなもんさ。俺が保証しよう」


 ジャックスが目線だけでセリオのことを指し示すと、セリオは相変わらず人の良さような笑みのまま丁寧な会釈をした。その丁寧さが返って底知れなさを醸し出している。


 そんな二人と対峙したノルダは、どこか遠い目をしながら深いため息を吐いた。


「面倒な輩と知り合っちまったもんだ。あの娘が嫌がっても、アタシの手伝いをさせておくんだった」


 ノルダの呟きに、ジャックスは眉を顰める。そして、声を一層落とす。


「おい。婆さん。あんたこそ一体何者だ? 普通のやつは、あの印の意味なんて知らないはずだぜ」


 ジャックスの言葉に、ノルダはフンと鼻を鳴らした。


「アタシャ、あの娘の面倒をちょっと見てやっただけの、ただの近所の婆婆ぁだよ」

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