店長、シフト表を信じていない。
――数日後。
Midnight Mart 王都支店。
バックヤードの壁に、新しいシフト表が貼られた。
ユウト
「……できてる……
今月のシフト……」
リゼリア
「未来が
可視化されている……」
アリシア王女
「運命の書……!」
ユウト
「大げさです!!」
ユウトは表を指差す。
月・火・水・木・金
【ユウト】深夜
【リゼリア】補佐
【アリシア】警備
――問題は、最下段。
【店長】
?????
ユウト
「……“?”って
なんですか?」
リゼリア
「未確定存在……」
老人
「観測できぬ者……」
ユウト
「上司です!!
ちゃんと実在してます!!」
そのとき。
ガラッ。
自動ドアが開く。
店長
「……あー……
ユウトくん……」
ユウト
「店長!!
シフト表これどういう意味ですか!?」
店長は壁を見る。
店長
「……あー……
それね……」
全員、身構える。
店長
「……来れたら
来る……」
ユウト
「飲み会の返事!!」
アリシア王女
「王国の動員より
曖昧だ……」
リゼリア
「予定という概念を
拒否している……」
店長は缶コーヒーを開ける。
店長
「……だって……
システムも……
俺の出勤……
把握してないし……」
ユウト
「人事システムに
勝つな!!」
店長
「……まあ……
困ったら……
呼んで……」
ユウト
「呼ばなくても
勝手に来ますよね!?」
店長
「……たぶん……」
そのまま店長は
バックヤードへ消えた。
沈黙。
ユウト
「……この店……
シフト制じゃなくて……
自然発生制なんだ……」
蛍光灯が、いつも通りに明滅する。
Midnight Mart 王都支店――
今日もまた、
出勤は祈りによって決まっていた。




