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深夜コンビニ、臨時休業の危機。――理由:店長が起きない。

――午前3時17分。

Midnight Mart 王都支店は、

静かすぎる異常事態に陥っていた。

原因はひとつ。

レジ裏の簡易椅子で、

店長が一切起きない。

スゥ……スゥ……。

「……起きませんね」

「起きませんね、じゃない!!

 店長ですよ!?

 責任者ですよ!?」

ユウトはレジ越しに叫ぶ。

「店長!

 朝ですよ!

 えーと……王女様が来てます!!」

「……スゥ……」

「ダメだ!!

 肩書きじゃ起きない!!」

アリシア王女は腕を組み、真剣な顔。

「剣で突けば目覚めるか?」

「ダメです!!

 それ一発アウトです!!」

リゼリアが低く詠唱を始める。

「眠りを断つ禁呪を――」

「それもダメです!!

 労基案件になります!!」

老人が呟く。

「……ここまで起きぬとは……

 もしや“真の不死”……?」

「違います!!

 ただのブラック労働の被害者です!!」

そのとき。

ピロン♪

レジの端末が鳴った。

「……ん?」

画面には

《本店:至急確認》の文字。

ユウトが恐る恐る開く。

『王都支店

 本日、棚卸し+新人研修+緊急会議

 よろしく!』

「よろしくじゃない!!

 無理です!!

 店長が死んでます!!」

「死んではおらぬ」

「例えです!!」

リゼリアは店長をじっと見つめ、静かに言った。

「……この方……

 眠りながらも

 ツナマヨの在庫数を

 正確に把握しています……」

「怖い!!

 なにその才能!!」

その瞬間。

店長が寝言で呟いた。

「……ツナマヨ……

 発注……三箱……

 セール……明日……」

全員、沈黙。

「……王国の財務官に欲しい……」

「やめてください!!

 この人、現世に返さないとダメな人です!!」

店長は寝返りを打ち、

ぽつりと言った。

「……ユウトくん……

 無理しなくて……

 休めるとき……休んで……」

一瞬、空気が和らぐ。

「……店長……」

次の瞬間。

「……あと

 廃棄チェック……

 忘れないで……」

「現実に引き戻さないでください!!」

蛍光灯が、チカッと瞬く。

Midnight Mart 王都支店――

今日もまた、

勇者も魔王も倒せない敵と戦っていた。

――そう、

寝不足という名の現実と。

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