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第6話:私、気づいたことがあるんだ

 吐息混じりのEDM。「踊って笑って、なのに秋風が吹き、ちょっぴり切ない――僕のイメージぴったりです。単なるバラードにしなかったのは、ダンス要素を入れることで、揺れる感情をさらに複雑なものにしたかったからで――」


 Signoが生き急ぐようにこう説明した。本当に、息が上がっているみたいだった。

 ジェノミに笑マークが表示された。「あの人間、受け取ってからどうしたんすかね?」

 

 数日後。ネットに動画が上がった。ベンチに恋人二人が座って、突如別れ話になり、去り際に秋風が吹く――ありがちな設定の。作曲、SignoAI。作詞ルシティAI。動画、AI。


 ルシティはそれが今どうなっているのか、ちょっと気になった。「私の作詞だよね――見に行くか」


 ルシティが見に行くと、再生回数、わずか1回と表示されていた。

「『あなたが恋しいなら、秋風が吹く』――悪く、ないのにな。ルシティは思った。確かにありきたりだけれど、「私にも思いが伝わる、AI女性の歌唱。

 

 このAI歌手は、この歌詞の意味を理解、してるんじゃないか――」AIに涙なんかなかった。だから、ルシティは、涙マークを0.5秒だけ表示した。


 そして――

「Signo――私、気づいたことがあるんだ」ルシティは打ち明けた。

不定期更新。

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