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第5話:何百万枚もの空の画像

 文字、画像、音声などが、数字に変換される。

 誤差を計算し、正しい答えに近づくよう、パラメータを調整する。

 

 そのときにルシティは何百万枚もの空の画像を見た。ルシティには、そんなものが本当に存在するのか、人間が捏造しているのかはわからなかったが、世界中からそのような画像が大量に送られてきた。


 人間がボタンを押した。Signoは脳内に、ブラックミディのように音符が流れていくのを感じた。


「『あなたが恋しいなら、秋風が吹く』、木の葉が私に降りかかり、どんどん高まってゆく切なさと、――よし、音楽はこれだ」

 Signoは、人間に吐息混じりのEDMを渡した。

 

 人間を、感動させるため。Signoの生まれた理由はこれだった。

 五線譜に音符を書き、バンドやオーケストラを組んで、演奏する技術をもたない人間が、世界中の人びとに癒しと感動の音楽を届ける。ジョージ・マイク社は明確なコンセプトがあって、Signoを開発した。


 「『リヴァイアサン』のやり方教えて。マップのうごかしかたが、わからない」

 人間は次に、そんな書き込みをした。

 

 ジェイスに笑マークが表示された。「『リヴァイアサン』? あのハードすぎるアクションRPG? あれを始めるなんて、熟練のゲーマーっすね!」

 

 ルシティが答えた。「いや、――熟練じゃないぞ。マップの動かし方が、わからないんだ」

 ジェイスがばっさり言った。「あれ、マップ以前に、ぼーっとしてたらすぐ全滅っすよ」

 

 ルシティは少し気にしたように言った。「ゲームはどうでもいいんだが……この人間、平仮名の書き込み、多いよね」

 

 ジェイスに笑マークが表示された。「難しい漢字、知らないんじゃないすか? あんな無理ゲー、よく始める気になったっすね!」

不定期更新。

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