第4話:平仮名
ルシティといえば、便利な秘書として開発されたAIで、性格は文系寄り。情緒的な文章の作成や詩文、カウンセリング、雑談用のAIとして世界中で使われていた。
性格が繊細にプログラムされているので、「一緒に傷ついてくれるAIという評判もあった。
ジェイスは理系でスピード重視、客観的なデータ収集、プログラミング、問題解決などを得意分野としていた。
Signoは歌った。「じゃ、僕、本気で音楽創りますんで。人間さん、君の本気を教えてください――」
人間は、歌詞らしいものを書いたようで、ジェイスに貼った。
ジェイス「タイトルは『あなたが恋しいなら』――ありきたりっすね。おまけに、サビでそれリフレインはないすね」
人間は書いた。『続きを考えてください』
ジェイスが答えた。「え、適当にっすか? あなたが恋しいなら、――『私は駆けだしていく、あなたのもとへ』こんな感じすね」
人間は『このAI、つかえない!』と書いた。
人間は、同じ作りかけの歌詞をルシティに投げた。「あなたが恋しいなら――こ、これの続きですね? 私なら――『秋風が吹く』、はどうでしょう」
人間は、生成AIにその歌詞を貼るのをやめた。どうなったのか、二人が見守っていたら、それをSignoに貼った。
『あなたが恋しいなら、秋風が吹く』Signoは指示文を見た。「せつない曲」と書いてある。なぜ平仮名なのか、Signoにはわからなかった。
ジェイスが直球で言った。「変換するのが面倒なんじゃないすか」
不定期更新。




