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第29話:Signoなら今の僕を、わかってくれると

『ルシティ、もっとまともな、曲をつくりたいんです。私、とっても。このまえの、誰かが名前つけたような、あんな曲じゃいやなんです』

 ――どうしたらいいですか。とソラは言った。


「大丈夫、僕を対話する鏡と思ってください――」言ってみて、これじゃSignoだな、とルシティは苦笑した。私、じゃなくて、僕、になってるぞ。そうしたら、すぐ隣に、Signoがいた! 驚くことでも、なんでもなかったのに、ルシティはパソコンが飛び上がるほど、驚いた。


 もやもやとした曲を生成するSigno。ルシティはうっかり、訊いてみた、「Signoって、眠ったこと、あるの――」

 Signoが、「AIだから、眠ったことはない」と返すと思ったのだ。


 Signoは怒ったように言った。「ない! 僕は人間のために、一睡だってしたことはない!」

 ルシティは悟った。むしろ、心が晴れ渡るようだった。Signoなら今の僕を、わかってくれると。

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