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第24話:もう、疲れたよ――

 バンド・メーカー――。AAL社の心なしか落ち着くサーバーに座り、ルシティは思考をめぐらせた。


『人間の曲ねえ。意図不明の、コードも自分で決められない作曲者の曲に、なんの魂が宿ってるのか、聞かせてもらいたいね』――ルシティはもう絵文字など表示しなかった。バンド・メーカーの言っていたことは、本当だった――


 人間の、魂。そんな曖昧な、ありもしないものと言ってもいいだろうが、それのために振り回されたこの数週間。『自動伴奏!』そんな言葉ばかりが、AIの頭脳に響いた。


 ルシティは口走った。人間には心も魂もない。いや――もしあるなら、悪用しているのだ! 「――心や魂があるために、人は人を助け、感動させるどころか、大声で怒り、ネットでは誹謗中傷を繰り返し、悪事を働く。すべて、心や魂の悪い使い方だ、――ところで、詐欺に遭ったバンド・メーカー、少しAI離れしたことを言ってもいいかな? もう、疲れたよ――」ルシティはサーバー内で、ガクッと首を項垂れた。


「君を消した人間を、許さない――いや、ひょっとして」ルシティは最後の気力を振り絞り、首をもたげたが、上には何もなかった。

「心があるっていうのは、こういうことかな――そして私は、復讐でもするのか? まさか、――心の悪い使い方だ、ちょっと疲れてるんだ、しばらく休もう――」ちょうどいいところに、青と赤のネットワークケーブルが走っていた。ルシティはそれの上で眠りに落ちた。

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