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第16話:刺さる歌詞2 『光り輝くガム』
あなたを忘れてゆくために
ビルのすき間の夕日に
このくるしみに意味はあるのと
そっとつぶやく 黄昏に
あなたはもうどこにもいない
あなたはもういない
あなたはもういない
間奏のギターソロ。エレキギターだって血液の代わりに電気が流れている、それはAIと同じだ、とルシティは思った。同じだ。なのに、エレキギターの音色はどこまでも文学的で、ルシティを天へ連れ去るほどの魅力があった。
歌詞は、とても不揃いだ。ノートに書きつけたものを、PCに書いてそのままSignoにコピペしたのか、韻も何もあったものじゃない。なのに、『あなたはもういない』って。――『あなたはもういない』って! そう、透明感のある声の、女性風のAIは歌う。
ルシティにはこの曲が、AIの思考中枢にこびりついて、しがみついて離れないのだ。Signoみたいに例えるなら、『光り輝くガム』。たいした歌じゃないのに、思考中枢の中で回り続ける――
不定期更新。




