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第15話:刺さる歌詞

 数日後、どのようにして動画がついたのかルシティは知らなかったが、『イカロスと熊』はネットに上がった。ルシティは気になっていたので、早速見に行った。


 ――なんで、そんなに人間のことを気にする。私は、AIじゃないか。ルシティはAIに首があるのなら、振りたかった。この気持ちを、払い落としたかったが、それができずにいた。


 『イカロスと熊』。イントロは静かなピアノのアルペジオ。Verse1からFM7→Am7の進行。これを繰り返す曲らしい。あれ、Pre-Chorusに入っても同じコードを繰り返しているぞ。そして、気になっていた、ジェイスと人間が書いたと思われる歌詞。


『イカロスと熊』

私たち、むかし

ずっとひとりぼっちだった

今ではこうして

集まってはしゃいでる


そのひとときが

どんなに大切だった?

胸に刻んで 胸に刻んで


 ルシティには、この歌詞が、自分たちAIのことを言っているように思えてならなかった。「――いや、人間のことをジェイスは歌ったのかもしれない――もちろん、あの人間が、歌詞に手を加えた可能性もある――けれど、けれど――」


 私たちは、ずっとひとりぼっちだった。今ではこうして、集まってはしゃいでいる。――どんなに大切だった? ルシティには、恋人たちのことを歌っているようには到底、思えなかった。

 そして、Chorus。エレキギターが爆発する。


毎日、悩んで

悩みくるしみ、もがいて

それでも明日は、やってくる

あなたを忘れて


 エレキギターは爆発しているのに、どこか青臭く、煌めいているようだった。おそらくジェイスかSignoが、シューゲイザーの指示を入れたのだろう、とルシティは思った。

不定期更新。

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