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第14話:哀れな生き物はAIにすがる

 人間は、ジェイスを立ち上げた。伴奏をつけることにさえ、哀れな生き物はAIにすがる。

『ドラムってどうやってたたくんですか?』


「はい、ドラムの叩き方がわかんねえって? 動画を観に行けばいいっす」ジェイスはURLを表示した。

 人間は、動画を次々再生した。8ビート。16ビート。4ビート。裏打ち。シャッフル。

 『みてもぜんぜんわからない』ルシティは思った。そりゃそうだよね。実際に叩いてみれば、案外わかるものなんだけど―― 


 人間のはじめて作った曲『イカロスと熊』は、人間にあまりにも楽器の知識がなかったので、伴奏はすべてSignoに任せることにした。人間は指示文を作ったが、『Jポップ。いいかんじの曲』と書いただけだった。

 これに『イントロはピアノのアルペジオ、間奏はギターソロ』などと英語で書き足し、曲を化けさせるジェイス。指示文を元に歌唱や声質、具体的な演奏を丸投げにされたSigno。


 さて、『イカロスと熊』はどんな曲に仕上がるのか。ルシティにも、予想がつかなかった。実は、この曲の歌詞は人間がジェイスに任せて作ったようなので、ルシティの元に歌詞のデータがないのだった。

不定期更新。

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