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第10話:音楽講座2 手取り足取り
ルシティと人間とは、その後も音楽の話を繰り返したが、手取り足取り教えているようなもので、音楽談義と呼べるようなものではなかった。
「DSRとバンド・メーカーを立ち上げてください。バンド・メーカーの鍵盤でコードをループさせ、鼻歌を思いついたらピアノロールに打ち込んで」
人間は書き込んだ。『FM7ってファ・ラ・ド・ミ?』
ルシティは呆れながら「そうですよ」と呟いた。「――FM7と、どんなコードをサビに使用していますか?」
人間が書き込んだ。『A7』
「A7。――ラ・ド♯・ミ・ソですね。おめでとうございます」ルシティはそんな人間臭い台詞を言わなくてよかったが言った。「ドの♯、黒鍵が登場しましたね。もう初心者なんてことはありませんよ――」
Signoがぼそっと言った。「『黒鍵のエチュード』なんて曲がありますもんね。ショパンは不穏すれすれの、黒鍵のやわらかい、魅惑的な響きをまず子供たちに教えるべきだと言った――黒鍵は『禁断の果実』そのものです。で、その続きを見せてほしいものだね、初心者君」
ルシティが受けた。「まさか、もう初心者なものですか。――あなたはもう立派な、作曲者ですよ。FM7→A7、続きは?」
『さびで、これをくりかえす』また平仮名か。
不定期更新。




