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虚無のその次

「律喜!起きるニャ!」

「明希さん!それだと、起きちゃいけないみたいなことになってるよ!」

「てか!お前の能力で蘇生しろ!」

「僕の能力は、何度も言ってるが状態異常回復だ!」

うるさい…とにかくうるさい…ここは…そうか、私負けたんだ…

目を開けると眩しい光と共に、視界が戻ってくる。

「よかった…律喜さん!起きたんだね!」

「律喜がこんなので死ぬわけないけどにゃ」

……明希もう、そうゆうキャラでやってくつもりなのか?

私は辺りを見回す。

「あれ?私たち負けて…」

「そっ、だから保健室」

再びここに来てしまったのか、1日に2度来ることになるとは。

「ララさんは?」

「あっそう言えばさっきからいないね…アリーナに残ってるのか?少し見てくる」

尚くんは保健室を出て図書室に向かっていった。


尚視点


「ララ!姫龍先生!?誰かいないのか!?」

図書室とアリーナをつなぐ暗い廊下を歩いていると何やら不穏な空気がして振り返る。

「いや、誰もいない」

クラスのみんなはアリーナにまだいるはずだが、歓声一つ聞こえない。

「何かが、おかしい…」

「尚くん?」

暗闇の壁を伝ってよく見てみると、消火器ボックスの赤い光に包まれたララがいた。

「……ララ、いったい今までどこに?」

「姫龍先生のところだよ、何か終わった後呼ばれちゃってさ」

いつものララと違う、地雷を発動させていない。

何があったんだ?

「ララ、変わったことはあったか?」

「いや?特に何も、そう言えば律喜ちゃんたちは大丈夫だった?」

「ああ、何とか一命を取り留めた」

ララはため息を一つついてこちらに向き直る。

「全く、律喜ちゃんの元を離れちゃ駄目でしょ?尚くん」

ララはゆっくりとこちらに近づいてくる。

一歩また一歩と歩んでくる。

その度に僕の全細胞が恐怖する。

「お前!ララじゃない!」

僕は震える足で、みんながいるアリーナに走り出す。

「逃げても無駄だよ!ここからは出られない!」

僕は必死に走り続ける、しかし一向に光は見えずララとの距離も変わらない。

「なんだこれ!?まるで無限に続くトンネルじゃないか!」

「先生の能力だよ」

姫龍先生の?でも、なんでそんな力をララが?

走っていても体力を消耗するだけだと判断し、一度ララのほうに向き直る。

僕がそこで見たものは…

「先生?」

綿人形のように脱力して宙吊りになっている姫龍先生だった。

「私の能力で先生の能力を使ってるの、先生の能力すごいんだよ!何でもできるんだ!」

「嘘だ!ララの能力は未来予知のはず!代償も地雷系になるだけだ!」

「ねえ、尚くん?自分が何かって考えたことある?」

ララはこちらにまたゆっくりと近づき始める。

「自分…?」

「自分とは生体に宿った精神のこと、もっと詳しく言うと精神が外的要因によって歪み自我を作っていく、その歪みこそが自分」

一体何の話をしているんだ?

「では、精神が外的要因によって2つに別れ歪んだとしたら?」

「自分が2つ生まれる?」

「その通り、そしてそれの片割れが私…ララ」

つまり、ララの中にまた違うララがいる!

僕らの能力は人体に一つ付随するものだと思ったが精神に一つ身につくものだったのか…そうするなら今先生をつり下げているのはもう一人のララ!

「ねえ、尚くん選択肢をあげるよ…このまま死ぬか先生のように人形になるか!」

ララは一気に距離を詰め、ナイフで的確に斬撃を飛ばす。

鋭い痛みが右腕に走る。

「断る!」

左腕で何とか牽制して、距離をとる。

「やはり当たらない…」

「未来見てるんだよ?そりゃ当たらないよ」

能力を使って出血をとめる。

「やっぱり尚くんは生命力が高いね…いつまで耐えれるかな?」

何とか、しなければここで死ぬ…

「先生!僕の声が聞こえますか!」

「無駄だよ尚くん、先生はもう人形…継ぎ接ぎされたね」

この無限廊下は先生の能力をもう1人のララの力で使っているはず、つまり先生の拘束を解くことが出来れば……駄目だこの行動はすでにララに読まれているだろう。

「尚くん、死んで?」

「待て!ララが僕を殺す理由は?」

「みんな殺すつもりだよ?私以外の異能力者を消せば世界一番になれる!私をこんなんにした奴らを見返してやる!」

なるほど、ララはここに入る前に何かを外的要因により二重人格になってしまったのか。

「殺してやる!みんな!」

待てよ…僕の能力なら。

おそらく今ララは感情的になって未来を見ていない。

今なら!

「そんな願い!僕が止めてやる!」

自分が殺されると思った時、人間なら確実にギョッとする。

そして、ララは咄嗟に避けるために未来を見るだろう。

「たぁ!!」

僕は、渾身の右ストレートを宙吊りになったいる先生を攻撃する。

ララの負け筋は、先生を攻撃され能力が使えなくなること。

それイコール死に直結するつまりなんとしてもこの攻撃を止めにくる!

「させない!」

予想通り、ララは足蹴りで僕のストレートを止めた。

「知ってるよ尚くん!あんたの身体攻撃はさほど脅威じゃないってことは!」

「……ララ、君の負けだ」

「な訳!?」

僕は、ララの足を掴む。

「それだけか!こんなものナイフで!」

「君はあまりにも時間がなさすぎて、おそらく僕が先生を攻撃する瞬間しか断片的にしか未来を見ていないはずだ、もうこれでおしまいだよララ…神の奇跡きゅうさいしっこう!」

ララ、能力で僕らの仲間に戻ってくれ…これで…

だんだんと、彼女の力が抜けていく。

僕は手を離し、ララはその場に倒れ込んだ。

それと同時に姫龍先生は地面に打ち付けられる。

「僕の神の奇跡きゅうさいしっこうで君の精神の状態異常を全て治させてもらった、君たちは元の一つとなる」

「………」

赤い電灯に照らされたララの目は光が消えていた。

「今まで、その復讐心だけで生きて来たんだね…これからは僕たちと新しい人生を歩んでいこうララ」

僕は、先生とララを抱えて保健室へと向かった。


律喜視点

「遅いね、尚くん」

「あいつなんて、そんなもんだろ……にゃ?帰って来やがった」

保健室のドアが、突然開くとそこには、ララさんと先生を抱えた尚が立っていた。

「……え?」

「誘拐でもして来たにゃ?」

「違うよ…一旦聞いて」

………

尚は今まであったことを全て話してくれた。

「つまり、ララさんは二重人格で能力を2つ持ってたと…」

「そんなことできんのかよ」

「ああ、さっきも話したが実際に先生の能力をララが使っていた」

私が引っかかっているのはそこだ、先生の能力は何でもできる創造ではなくカウンターのはず。

「先生の能力はカウンターだろ?」

「ん?いや、僕は先生の能力は何でもできる創造だと聞いたよ」

どうして、人によって先生の能力が変わるんだ?

「まさか、先生も多重人格なのか?」

「その可能性も出てきたな…」

私は横目でベットに倒れ込む先生を見る。

両手と両腕の関節にナイフで切られたような跡がある。

「先生…」

「この傷は何にゃ?」

「ララの横で操り人形のようにつり下げられていたんだ、おそらくもう一人の能力の発動条件が刃物で4つ以上斬りつけることなのだろうね」

尚くんは右腕を見ながらそういう。

「その腕は?」

「ララにやられた、でもこれがいい証拠だ。未来が見えるなら確実に首だって切れたはず。でも、彼女はそうしなかった」

「操るつもりだったのね…」

先生とララは一向に起きる気配はない。

「このまま、ずっとここにいるわけにもいかないし、尚くんクラスに戻ってみんなをまとめたほうがいいんじゃない?」

「でも、律喜はこのまま休んでおいたほうがいいにゃ」

「そうね…2人は、私に任せておいて」

2人は頷いて、保健室から出ていった。

「さて…みんな行っちゃった」

私はベットの背もたれに腰をかけ、文庫本を手に取ろうとする。

しかし、目の前のカーテンが閉まった暗いベットルームから視線を感じることに気がついた。

「……誰かいるの?」

しかし、あそこから返事はない。

先生もララも再起不能、何があっても2人を守り抜かなければならない。

私は、まだ体は痛むがベットから起き上がる。

怖くて、手が震える。

なんだかだんだんと体温が下がっている気がする。

この中にいる何かの能力なのか?

そうだとするなら、中にいるのはS組のやつ…見つかってもいいはず。

退学の危機はないと見て、カーテンをそっと開ける。

中を覗くと、ベットの上にお姉さん座りをしている少女がいた。

うちの制服を着ている、きっとうちの生徒なのだろう。

「あなたは?」

声をかけるが返事がない。

中に入り、ゆっくりと近づく。

「S組の人?」

「……」

少女は首を傾げ、部屋の電気をつけた。

少女の容姿は暗くてよくわからなかったが、光がついてよく見えた。

白く長い髪に、赤い目おそらく寝ているときについたであろうスカートの皺。

そして何より、ノイズキャンセルがついたイヤホン。

有線のイヤホンだがどの媒体にも接続されていない。

「なるほどだか聞こえないのね」

私は、肩からペンと紙を出して聞きたいことを書いていく。

あなたはS組なのか?なぜ喋れないのか?髪色は生まれた時からなのか?

まずこの三つだけを書いて、少女に渡す。

するとすぐに少女は、意図を理解してペンと髪を受け取りベットの上で書き始めた。

しばらくして、紙を返してきた私はそれに目を通す。

「1、私はS組32番、理由があって名前は書けない、みんなからはレインって言われてる。2、別に喋れないわけじゃない、代償の予防で耳を塞がなくちゃいけないから何言ってるかわからないだけだよ。3、うん、この髪や目は生まれつき珍しいでしょう?」

この子は、どんな能力を持っているんだろう?

それだけ聞いて、ここから立ち去ろう。

そう思い、質問を書いているとカーテンが開く。

びっくりして、咄嗟に振り返る。

カーテンの先には、腕を痛そうにする姫龍先生がいた。

「……先生か…」

「やあ、律喜…久しぶりだねレイン」

どうやら、先生は尚くんがおいていった手紙を読んで何が起こったか全て理解できたようだ。

「ララさんは?」

「まだ寝てるよ、目覚める方法を放課後までに考えておくよ…律喜さんも大丈夫ならクラスに戻っておいで、僕は先に行っておくよ」

「はい」

先生はそう言って、カーテンを閉めて保健室から出ていった。

「全く…入る時には声ぐらいかけてよね…って…え?」

愚痴を吐きながらレインの方を向くと、レインはベットの上ではなく、私の真下に犬のように座り込んでこちらを見上げていた。

その視線は、ものすごく熱く目を背けたくなるほどだった。

「り…つき?」

「うん?どうしたの?」

私も座って、同じ座高になり目を合わせる。

赤い目の奥にうっすらとした模様のようなものが浮き上がっている気がする。

「り…つき?りつき?」

何か言いたいのだろうか、私はペンと紙をレインに差し出すが彼女が受け取ることはなかった。

「どうしたの?」

彼女をもう一度よく見てみると、イヤホンが外れていることに気づいた。

そして、私はさっき書いてもらった2の文をもう一度みる。

2、別に喋れないわけじゃない、代償の予防で耳を塞がなくちゃいけないから何言ってるかわからないだけだよ。

代償の予防…代償の栓が外れたなら何が起こるかわからない…

「……りつき?」

「どうしたの?私はここにいるよ?」

そう私が、言うとレインの白い髪の上に6つのハートが浮き出る。

「え?」

「りつき……声…す…キ……とめ…て……」

いきなり、彼女は頭を抱え出し俯く。

「大丈夫?とりあえず、ベットに戻ろ?」

彼女の代償は、気圧に異常に弱くなるやつなのか?

「り………りつき!!」

「わ!!」

レインはいきなり、こちらに飛びかかり私は体勢を崩して尻餅をついてしまった。

「いて……なんなのよ…え?」

上を見ると、レインがハートを目と頭に浮かべてこちらにのしかかろうとしているのが見える。

「りつき…?いい?」

「何が!?」

私は、反射的に肩から黒い触手のようなものを伸ばし天井に張り付いた。

「痛い……でもこれで…助かった?」

「へぇ…はぁ…」

レインはこちらをずっと見上げている。

明希の奇行より怖いものってあるんだ……

「りつき…」

でも、この状況どうしよう…持久戦なら私は不利、なら!

私は、触手を天井から離し地上へ落ちる。

彼女は、当然こちらに向かってくる。

「来た!」

触手を彼女に巻き付け、ぐるぐる巻きにして肩から切り離す。

「かなり粘性が高い触手よ、あなたじゃ引きちぎれない」

「りつき…」

縛られてもまだ彼女は、こちらに向かって来る。

「化け物か!」

私は、いけないこととはわかっているが彼女の胸ぐらを掴んで大外がりをした。

中学時代に2ヶ月だけ柔道を習っていた、それの副産物だ。

「これでひとまず…」

「へぇ…へぇ……りつき」

私は、念のため彼女の耳にイヤホンをつけてあげた。

「きっと先生呼んだほうがいいよね…」

「その必要はないよ、律喜ちゃん」

ここにいる人間は、3人…私とレインとララ…起きたんだ、ララが。

「レインちゃんは、そのうち元に戻るよ」

ララさんは、ベットにもたれ掛かりながら抑揚なく喋る。

「これ、レインの代償なの?」

「うん、レインちゃんは誰かの名前を紙に書くとその人に不幸を起こす能力、その代償に人の声を聞くとその人を異常なほど好きになる代償があるの」

そう喋るララさんはいつもの元気いっぱいな姿でもなく、地雷系構文でもない、言わば喋る人形のように感じてしまった。

「相変わらずなんでそんな代償に…」

「レインちゃんの不幸を与える能力は程度がランダムなの…最悪の場合死ぬ」

なるほどそんな理由で自分の名前を書かなかったのか。

「でも、喋れるのにどうして自分の本当の名前を言わないの?」

「怖いんだよ自分の名前が、今じゃ私しかレインちゃんの名前は知らない」

確かにそんな能力を持ったら名前が怖くなるのも無理もない。

私はそばに倒れているレインの頭をゆっくりと撫でる。

彼女は嬉しそうに目を細め、頭のハートをさらに増やした。

「これ、どうやったら治るの?」

「彼女の愛より、自分の愛が上回るとレインちゃんが引き始めて治っていくよ」

なるほど、地雷のララさんが得意そうなことだ。

私は彼女の上半身だけ起こして、ハグをする。

私ができる精一杯のことで彼女を鎮めよう。

「はぁ!………」

レインの呼吸が乱れ、そしてだんだんと静かになってきた。

しばらく、そうこうしていると彼女の呼吸の音しか聞こえなくなり、私はハグをやめた。

「どうやら、うまくいったようね」

「冷めるって言うより強制終了のような気がしたけど…」

とりあえず、彼女を縛ったままベッドに帰す。

「はい、お疲れ様…」

「ララさんちょっといつも通りに戻った?」

「記憶だけは鮮明にあるからそれをもとに喋ってるだけ…何もないわ…私には何もない…記憶以外…感情が…」

外部からの刺激を受けて人間は初めて人格が形成されるってどこかの本で見たことがある。

つまり、今のララさんはほぼ物心がついていない赤ちゃんと同じ状態ということか。

「律喜ちゃん、私のことどこまで知ってる?」

「えっと、二重人格だったこととみんなを殺そうとしたことぐらいかな」

「そう……それを聞いて律喜ちゃんはなんとも思わないの?」

ララさんは、光のない目で天井を見上げている。

「そりゃ、少しは驚いたよ…でも、私はララさんを信じてるから」

「信じる?殺人鬼を?」

その疑問が飛んできた時、私の口からは自然と笑い声が出てきた。

「なんで笑うの?」

「殺してなんかいないからだよ、殺すタイミングあったでしょ?先生を」

「………それは、操るため…操るために、殺さなかったんだよ」

「いや、殺せたね…僕を」

いきなり後ろから、聞き慣れた声がする。

見なくてもわかる、姫龍先生だ。

「ララ、おはよう…」

「先生…殺せたってどういうことですか?」

「実は僕、操り人形になっていた時意識があったんだよ、シスターには申し訳なかったけどね、その時に君の言葉を聞いたよ。殺してやるってね、あの言葉に偽りはなかった。君のもう一つの能力は生け捕りにしなくても発動するものだろう?」

ララさんは、一切目線は動かさずに布団の中に手を入れる。

「先生?私さ…認めるのが怖いな……自分がなんなのかわかんないよ…みんな優しさで私を殺人鬼なんかじゃないって言ってくれてるんでしょ?演技しなきゃ、自分がなんなのかわかんないの…」

だんだんと、ララさんの目に光が戻ってくる。

きっと優しさに触れて、心が戻ってきたのだろう。

「ララ、僕は君を恨んだりしてないよみんなもそうさ…演技でもいいこれから作っていこう理想のララを」

「先生?私ね…未来見えちゃった…この先は絶望よ、何にもない暗闇…その原因は私だった……そんな未来だったら」

ララさんは、布団から手を出し自分の首に当てる。

その手は巨大な刃物になった。

「あれが、もう一つの能力!?」

「ララ!やめるんだ!」

「バイバイ、みんな…やって!霊のソウルマリオネット

また体が何が起こるかを理解して目を閉じてしまった、私だったら止めることができたはずなのに…私はまた目を背けてしまった。

しばらくして、私は覚悟を決め目を開けた。

でもそこには、私が予想していた情景は存在していなかった。

「…はぁ…へぇ……さ…せ…ない…よ…らら…」

「レインちゃん!どいて!」

隣で寝ていたはずのレインが、ララに飛びかかり刃を必死に止めている。

「りつき……いま!」

私は、ハッとして肩からさっき出した触手を刃に絡ませ引っ張る。

その時、肩が痛み私は倒れそうになる、でも先生が触手を持って体勢を立て直してくれた。

「レイン!あんた代償のこと忘れたの!?」

「ゆう…じん…が…しぬのは…やだ!」

レインの頭のハートは、すでに8個さっきより2つ多い…でも自我を保っている?

「嘘こんな未来、私知らない!」

「ら…ら…あな…た、わた…しの…なか…ま…だから…」

レインは、ララに抱きつき赤い涙を流す。

血ではない、コーラル色の宝石のような涙だ。

「レイン!私嫌なんだ!私がいるせいでレインが!みんなが!不幸になるのは!」

「そんな未来…!私が!変える!」

涙が、ララさんの頬に落ちた時…レインの頭のハートが弾け飛んだ…

「これは……レインの代償が……」

「なくなったの?」


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