激走
トロール
3mを越える巨体に度を越えた力
振り回したこん棒に当たった木は根こそぎ倒れ、踏まれた石も粉々に砕ける
理性はないに等しく、目の前の物は全て壊す
B級魔物の一種
ゴァーー!!!!!!
トロールが叫び、こん棒を振り上げる。
僕はマリーを抱きかかえ、すんでの所で回避する。
マリーが居たところには大きな窪みが出来ていた
「逃げるぞ!」
マリーを抱えたまま僕は走る。
その前を三人が必死に走る
ドシンッドシンッと後ろからトロールは追いかけてくる
僕はマリーが指示する方向に
右へ左へ
トロールがこん棒を叩きつけてくる
「マリー!空に向かって 魔法!」
「え?」
「早く!」
「ファイアーボール!!!」
空中に放たれた魔法はドンッと広がる
トロールは突然の光にビックリしたのか立ち止まる
「皆!別れて走れ!先生にこの事を伝えるんだ!」
アーカイルさんは右
エミリオは左
クライは真っ直ぐ
僕は
「マリーごめん…」
止まってトロールと相対する。
***
まだ目が慣れないのかトロールはゴシゴシとこすり、僕を睨み付ける
僕は小声でマリーに伝える
「足が痛むと思うけど、トロールの目に魔法。そしたら走って隠れて」
マリーは頷き
「ファイアーボール!」
トロールへ魔法を使う
トロールは目の前に来た魔法に驚き避ける
その瞬間に僕達は離れ、マリーは木の裏に隠れ
僕は、トロールへ走り出す
巨大な体に恐怖を感じ早鐘を打っていた心臓はますます強くなる
目の前にいた僕達を見失ったトロールの足元をくぐり抜け、真後ろに立つことが出来た。
そして僕は石をトロールに投げつける
強く投げつけた石に気がついた奴は僕にこん棒を叩きつけようとする
ギリギリ回避し、僕は皆と反対方向に走り出す
***
僕に狙いを定めたトロールと鬼ごっこならぬ激走を繰り広げる
あのまま僕ではなく、マリーに執着していたらどうなっていたか…考えたくもない
ウィズ先生に鍛えられていても、それに演習場のまっ平らに比べ、ここは凸凹として走りにくいので
直ぐに僕に限界が訪れる。




