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秘密

イルの頭を心配してしまう回

歴史学、数学等の午前の授業を終え、今日もエミリオと食堂に向かおうとしていた。

「ロット様…少しよろしいですか?」

振り返ると歌の彼女…スペンス・アーカイルさんが立っていた。

あの時には気がつかなかったが、彼女の瞳は金色をしていた。

(昨日と殆ど状況が変わらないけど、今日の方が断然良いな…)

まだ爪の跡が治らない腕をさすった。

「大丈夫です。…あ、エミリオ。先行って席取っといて。すぐに向かうから。」

「うん。先に食べとくね。」

エミリオは、僕に頷いて食堂に向かう。

「ありがとうございます。…ここでは、人が多いので中庭に行きましょう。」

アーカイルさんは、足早に中庭へと歩いていく。


***


中庭に着いた僕達は、設置されているベンチに腰かけて話をする。

「あの時は失礼しました。途中で逃げ出すような事をしてしまって…」

いきなり頭を下げた彼女の赤の髪がさらっと肩から離れる。

「謝らないで下さい!僕の方が悪いのですから…」

「いえ、貴族の一員としては礼儀に欠ける行いでした。」

(盗み聞きした僕の方が悪いのに…流石侯爵位2番目の方…)

この状況に戸惑ってしまった僕は、どうでも良いことに思いを馳せてしまう。

何も言わなくなった僕を気にして、彼女は頭を上げる。

「どうされました…?」

「あ!いえ、大丈夫です。」

彼女は少し首を傾げたが、本題入るため真剣な目で僕を見る。

「それで…不躾なのですが、夜の事を誰にも言わないで欲しいのです。」

アーカイルさんは僕の目を見て言う。

彼女の瞳は、切実で…

僕は、勝手ながら悪い考えを巡らせてしまう。

(あの歌は侯爵家に代々伝わるもので、人に聞かれてはいけないものだったりしたら…!)

「誰にも言いません!何だったら、契約書でも書きますか?昨日会った人間に信用出来ないですし!」

僕は早口で彼女に提案してみる。

契約書を書くようなら…かなり危険である

「いえ、そこまでは大丈夫です。」

アーカイルさんは手をブンブン振って拒絶する。

彼女の姿をみて、安心してしまった僕はつい口走ってしまった。


「それにしても…かなりの距離があって、他の部屋も窓が開いていたのに何故僕にしか聞こえなかったのでしょう …?」


横の彼女は、僕の疑問に体を固めてしまった。


書きたい所とそこまでの所のペースが違いすぎてだな…

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