第32話 奇談散歩【85】知恩院の七不思議
① 鶯張りの廊下
御影堂から阿弥陀堂、大方丈、小方丈 等へ続く、全長550メートルの長い廊下。
この廊下を渡るとき「キュッキュッ」と鶯が鳴くような音色が響く。
これは床板を支える金具が擦れて鳴る音で、静かに歩こうとするほど音が響くため「忍び返し」といわれ、現在でいう”警報装置”の役目を果たしていたと伝わる。
② 白木の棺
三門楼上に安置されている「二体の白木の棺」
その上には将軍家より三門造営の命をうけた造営奉行、五味金右衛門夫婦の木像が置かれ、棺は三門造営の責任者だった五味金右衛門夫妻のものと伝わる。
五味金右衛門は優れた門を造営する覚悟を決めて建立に腐心した、その甲斐あって素晴らしい門が出来たが、造営費は予算を大幅に超過。造営奉行夫婦は、その責任を取り自刃した。この夫婦の菩提を弔うために棺は三門楼上に安置されている。春の特別公開時には楼上に上ることができ、夫妻の木像とともに、眼下に広がる京都の街並みを眺めることができる。
③ 忘れ傘
御影堂正面の軒裏に置かれた骨だけの和傘、これは火伏せの守りと信じられてる。
当時の名工「左甚五郎」が厄難除けとして置いたという説と、
御影堂建立時、この周辺に住んでいた白狐が、知恩院第32世・雄誉霊巌上人に「御堂が建立されますと、私ども狐の棲居が無くなってしまいます。どうか新しい棲居を賜りたい」と願い出て、それが叶えられた御礼に、この傘を置いて知恩院を守護する約定とした説が伝わっている。
④ 抜け雀
大方丈の襖絵に描かれた雀があまりに見事で、命を得て飛び去ってしまったという逸話。
大方丈、菊の間の襖絵は狩野信政の手によるもので、
紅白の菊の上に飛び遊ぶ数羽の雀が描かれていたが、あまりの巧みさ、見事さに雀が襖絵から抜け出て飛び去ったという。
現存する大方丈の襖絵には飛び去った跡しか残っていない。
⑤ 三方正面真向 ( まむき ) の猫
方丈の廊下にある杉戸に描かれた「三方正面真向の猫」絵も狩野信政の筆によるもの、この猫は、どこから見ても見る人を正面から見つめている。
⑥ 大杓子
大方丈入口廊下の梁に置かれている長さ2.5m・重さ約30kgの大きな杓子。
一説には、真田十勇士の一人「三好清海入道」が大坂夏の陣で、この大杓子を持ち獅子奮迅の活躍を見せた、食事時にはこの大杓子で大阪方の兵士に御飯を「すくい」振る舞ったと伝わる。
⑦ 瓜生石
知恩院が建立される前からあると伝わる、黒門への登り口の路上にある大石。
この大石には、誰も植えずとも瓜のつるが伸び、花が咲き瓜が実ったという説と、
八坂神社の牛頭天王が瓜生山に降臨。その後 再びこの大石に来現して一夜のうちに瓜が生えて実ったという説が伝わる。
また、この大石を掘ると二条城までの間道がある、かつての隕石 …… 等々、
多くの伝承が伝わる。
〒 605-0062 京都府京都市東山区林下町400 駐車場無し
お問い合せ ☎ 0755312111
拝観時間 9:00-16:00
庭園拝観料・友禅苑 大人300円、小人150円
方丈庭園・大人400円、小人200円
( 共通券あり大人500円、小人250円 )
浄土宗の開祖・法然上人ゆかりの地に建立された「知恩院」。山号を華頂山、院号を知恩教院と号し、正式名は華頂山知恩教院大谷寺。開山は法然上人、本尊は法然上人像( 御影堂 )および 阿弥陀如来像( 阿弥陀堂 )
多くの国宝や重文を所蔵しており、見どころ多数。
訪れた方のレビューによると、やはり日本最大級の木造門である三門を見どころに挙げている方が多い。京セラ美術館から徒歩15分ほどの距離にあり、徒歩圏に円山公園や八坂神社が位置し、旅行観光におすすめの立地。




