奇談散歩【67】富樫の馬塚
【富樫の馬塚】 石川県加賀市大聖寺天神下町5番地
伝承によると、室町時代、吹雪で谷に滑落した主人、冨樫三郎を助けた愛馬を、その主人が菅生石部神社の前で短気を起こして切り殺してしまい、その愛馬を弔うため建てた馬塚。あるいは、菅生石部神社の神事『居入祭』で供えられた衣を埋めた塚とも伝わる。
【菅生石部神社】〒922-0011 加賀市大聖寺敷地町ル乙81
お問合せ 0761-72-0412
開門時間 6:30~17:00 受付時間 9:00~16:00
【 車 】高速道路、加賀IC・片山津ICより約10分
【電車】北陸新幹線:JR加賀温泉駅 普通列車:IR加賀温泉駅・IR大聖寺駅 徒歩30分
【バス】キャンバス:加賀温泉駅→菅生石部神社
加賀バス:加賀温泉駅→岡町 大聖寺駅→岡町 大聖寺駅→菅生
室町時代、足利将軍の命令で西国を平定し帰国を急ぐ富樫三郎成衡は、大聖寺で猛吹雪に遭い、誤って谷に落ち家来や愛馬とはぐれてひとりとなった。既に日は暮れ、寒さと飢えは耐え難い、もはやこれまでかと思っていると、そこへ駆け去った愛馬が口に餅を二つ咥えて現れた。富樫は大いに喜び、餅で飢えをしのぎ、愛馬と夜明けを待った。
夜が明け、無事に家来衆と合流し、菅生石部神社の前まで来た時、突然乗っていた愛馬が動かなくなり、鞭を入れても一向に埒が明かない。富樫は これに立腹し、ついには愛馬を切り殺してしまった。
我に返って冷静になり、愛馬の立ち止まった家を伺うと、家の中には餅が散乱し、家人の男が噛み殺されていた。昨夜の餅はこの家から奪ってきたものだったのか、神社の前で立ち止まったのも己の罪を悔いての事か、と主人思いの馬を思い、富樫は称嘆した。その後、富樫は己の短気を悔い、馬塚を建立して愛馬を懇ろに弔ったという。
また、江沼の総鎮護である菅生石部神社神域で不敬な行いをしてしまった富樫は、これより後、神社の前の通行が禁じられ、神社裏山の小道を通ることになり、これを「富樫の隠れ道」といった。




