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第6話:最強の妹&ソロ歌手、転校してきた!? 七海の嫉妬と、学校での「召使い」宣言



 


 ――それは、突然だった。


 


「え、転校生……?」


 


 朝のHR、担任が言った言葉に、教室中がざわつく。

 この時点で俺は、なんとなく嫌な予感がしていた。

 この平凡なクラスに、そんなドラマチックなイベント――


 


「じゃ、自己紹介どうぞ」


 


 扉の向こうから現れたのは、

 透き通るような白い肌、艶やかな黒髪に淡いピンクのリップ。

 小柄で可憐、それでいて大人びたオーラを放つ少女だった。


 


如月きさらぎ 凛花りんかです。

 よろしくお願いしますね――特に、悠翔先輩♡」


 


 ――はい、死んだ。


 


 教室がざわめく。

 「え、如月?」「名字一緒……七海と!?」

 「てか、悠翔先輩って!?」「どういう関係!?」


 


 俺は顔面蒼白。

 隣で七海が、にっこりと笑っていた。――笑っているけど、目が怖い。


 


「お姉ちゃん、よろしくね。今日からこの学校、このクラス。

 あと悠翔先輩とは、もう家族ぐるみの仲だから。ふふっ」


 


 妹――凛花りんかは、

 元ソロ歌手“RINKA”として活動していた実力派アーティスト。

 一時期はグループ活動を離れていたが、最近《Seven☆Days》に復帰したばかり。


 そして何より、七海の実の妹。

 俺と七海の結婚も、当然知っている。


 


 



 


 だが、それだけでは終わらなかった。


 


「もう一人紹介するわね。

 ……Seven☆Daysの、超人気メンバー。あんたら、震えて待っとけ」


 


 そう言って七海が紹介したのは――

 長身で、涼しげな目元に鋭い美貌。

 圧倒的オーラをまとった少女。


 


橘美月たちばな みつきです。

 今日からここの生徒になったから、よろしく」


 


 Seven☆Days の実力派パフォーマー、橘 美月。

 元々はソロ歌手として活動していたが、最近グループ復帰。

 七海と肩を並べる実力、そして――実は七海の数少ないライバルでもある。


 


 美月が一言、俺に目線を向けて呟く。


 


「……お前、七海の“旦那”って噂、マジなの?」


 


 やめて!

 そういう爆弾発言は今しないで!


 


 



 


 昼休み。

 案の定、凛花が俺に近づいてくる。


 


「悠翔先輩、今日もかっこいい……♡」


 小声で、耳元で囁かれる。


 


 心臓、止まる。

 これ、七海に聞かれたら――


 


「……ねえ、召使い? 何してんの? 私の許可なく話していいと思ってるわけ?」


 


 はい、来た。


 


 七海は完璧なギャルスマイルで、俺の肩に腕をかけて言った。


 


「この人、私の召使いなんで♡ 勝手に触れないでくれる?」


 


 ざわつく教室。


 


「召使い……?」

「真中、召使い扱いされてんの!?」

「え、でも、なんか距離感おかしくね?」


 


 凛花は、にこにこしながら答える。


 


「いいんだよ、姉妹で召使いシェアしても♡」


 


 やめろ!!

 俺の尊厳、地に落ちた。


 


 



 


 放課後。


 俺は屋上に呼び出された。

 七海と凛花、美月、三人揃って。


 


「悠翔、アンタ、妹と何話してたの?」

 七海の声がピリピリしている。


「普通に、挨拶しただけ……」


「ふーん……じゃあ、家帰ったら罰ゲームね? 今日の夜は、私のマッサージ係♡」


 


 いや、喜んでやるけどさ。

 もはや俺の人権、どこいった。


 


 凛花はくすっと笑い、美月はふぅ、とため息をついた。


 


「アンタたち、本当に面倒くさいな。

 でも、こういうのも青春ってやつか」


 


 



 


 家に帰った七海は――

 相変わらず甘々だった。


 


「悠翔、今日はね……いっぱい甘えたい気分なの♡」


 


 昼の“召使い”呼びはどこへやら。

 ベッドの上では、世界一可愛い嫁に戻っていた。


 


 ――明日から、俺の胃が持つ気がしない。


 


 




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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