第4話:突然の芸能スキャンダル会見!? 悠翔、夫として最大の試練が迫る!
――朝。
教室に入った瞬間、空気が違っていた。
ざわついてる、明らかに。
「おい、ネット見た!? NANA、スキャンダル出たらしいぞ!」
「男と同棲疑惑だって! マジやべぇ、俺たちの七海が……!」
「いや、信じねーし。あの七海がそんなことするわけ……」
クラス中がざわついている。
――当然だ。
今、ネットニュースで流れてる“同棲相手”って……俺のことだから。
「……悠翔、大丈夫か?」
隣で声をかけてくれたのは、佐伯陸。
そしてその隣で、スマホ片手に冷静な表情の灰原奏。
「この状況、マジで洒落になってねーな。
お前が狙われるかも知れんぞ?」
さらに後ろの席から、別の友人たちも加わる。
「悠翔ー、最近如月の近くにいるとか言われてるけど、違うよな?」
→ 青山蒼士:お調子者&情報通、バスケ部。
「何かあったらすぐ相談しろよ」
→ 川口蓮:生徒会役員、頼れる兄貴分。
「週刊誌とかマジでヤバいんでしょ……怖……」
→ 藤咲絵里:優しいオタク系女子、七海推し。
「真中くん、君……まさか本当に如月さんと……いや、違うよね?」
→ 長谷川真央:文学少年、ややネガティブ。
「悠翔、まじやばいよ、これ……学校に記者来るんじゃね?」
→ 三好拓海:ビビり系クラスメイト。
こうして俺の友人グループは、なんだかんだ言いながらも、心配してくれていた。
◆
そんな中、教室のドアが開き、七海が入ってくる。
……その瞬間、空気が止まった。
「……チッ、何見てんの? 邪魔っすわ」
冷たい視線と、鋭い一言でクラス中を黙らせる。
その姿は、まさに“氷の女王”。
でも、俺にはわかった。
彼女の声が、ほんの少しだけ震えていたことに。
◆
放課後。
俺は芸能事務所に呼び出された。
事務所の名は《STELLAR PRODUCTION》。
七海の所属グループ“Seven☆Days”は、その看板アイドルユニット。
全9人のメンバーで構成されている。
社長・城之内玲司は、強面の実力者。
だが、七海たちを本気で守ろうとしている男でもあった。
「――如月七海のスキャンダルは、今日中に火消しする。
だが、お前も協力してもらう」
そう言ったのは、七海の専属マネージャー・風間真理子。
クールで優秀、七海の“もう一人の母親”的存在。
「今日の夜、緊急会見を開く。
七海は“事実無根”を主張する。君は一切、公には出ないこと。
君が出たら、七海のキャリアは終わる」
俺は……歯を食いしばって、頷いた。
「……わかりました」
守りたい。
家であんなに甘えてくる、笑ってくれる七海の笑顔を、
こんなところで壊したくない。
◆
夜。
テレビの前で、俺は息を飲んだ。
《Seven☆Days・如月七海、突然の会見》
画面の中、七海は完璧な笑顔で、はっきりと言った。
「プライベートで支えてくれる友人はいます。
でも、それ以上の関係はありません。
私は、アイドルとして、皆さんに夢を与える存在でいたいんです」
完璧だった。
でも、俺にはわかる。
本当は泣きたかっただろうに――
それでもプロとして、前に立つ強さ。
◆
その夜。
帰宅した七海は、俺に抱きついて泣いた。
「ごめん……悠翔……ほんとは、
会見のとき、一緒にいてほしかった……」
俺は、彼女をぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫。俺が、全部守るから」
家では、ただの少女。
学校では、氷の女王。
ステージでは、国民的アイドル。
彼女の全部を、俺は知っている。
だから、全部、守りたい。
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