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第3話:アイドル七海、芸能界トラブル発生!? 家でも学校でもバレそうな危機が迫る!



 


 朝、教室に入った瞬間、俺の胃はキリキリ痛んだ。


 今日も……氷点下の空気。


 


「真中、マジで調子乗んなって。昨日も如月に無視されてたじゃん」


「“誰?”とか“キモ”とか、普通泣くわ」


 


 はい、その通りでございます。


 でも……

 家じゃ昨日、添い寝して寝落ちしたんですけどね。

 言えるか、そんなこと。


 


 



 


「おい、悠翔、また如月に話しかけたんか?」


 俺に声をかけてきたのは、同じクラスの友人、

 佐伯陸さえき りく。陽キャ寄りのムードメーカーだが、根は優しいヤツだ。


「いや……話しかけたっていうか……」


「お前なぁ、身の程ってもんを考えろよ。

 アイドル様に話しかけるとか、勇気の使い道間違ってるわ」


 隣で苦笑してるのは、

 もう一人の友人、灰原奏はいばら かなで

 クール系メガネ男子で、何かと俺をフォローしてくれる。


「……まあ、でも諦めんなよ。

 奇跡って、たまに起きるから」


 奏のその一言が、ちょっとだけ胸に刺さった。


 


 ……いや、もう奇跡、起きてるんだけどね。


 


 



 


 その日の放課後。


 帰宅した俺を待っていたのは――

 甘々モード全開の、如月七海。


 


「悠翔、おかえり~♡」


 部屋着のパーカーとショートパンツ姿で、

 ソファに寝転がりながら、こっちを見上げてくる。


 


「今日はさー、ライブ会場で推し活してる夢見たんだよね~。

 アクスタ並べてさ、ペンライト振って、マジで最高だった♡」


 透明感のある白い肌に、ナチュラルだけど映えるメイク。

 学校でのギャルモードとは全然違う、柔らかな雰囲気。


 


「てかさー、今日学校でキモい男子に話しかけられて、うっざーって思ったんだけど」


「……俺じゃね?」


「悠翔は別。悠翔は……旦那様だから♡」


 


 はい、尊死。

 心臓持たんわ。


 


「今日はね、カフェ行って新作のフルーツサンド食べたいなーって思ってたんだけど、

 時間なくて無理だった。今度一緒に行こ?」


「……お、おう」


「あとさ、旅行とかも行きたくない? 二人で温泉とか♡

 まぁ、極秘だけどねー、バレたらヤバいし」


 


 七海の趣味、けっこう多い。

 推し活、アクスタ並べ、カフェ巡り、美容にファッション、旅行……

 好きな食べ物は、タピオカ・パフェ・チョコレート・ショートケーキ・マカロン・クレープ・フルーツサンド。

 甘いものばっかじゃん。


 


「なあ、七海」


「ん?」


「学校と家で、切り替えすごいな」


「当たり前じゃん。芸能人だし、プロだから。

 学校では“邪魔っすわ”とか言っとかないと、変に絡まれるじゃん?」


「まぁ、確かに……」


「でも、家では甘やかしてあげる。悠翔だけ、特別♡」


 


 こんなギャップ、心臓いくつあっても足りんわ。


 


 



 


 そんな甘々タイムを過ごしていた時――

 七海のスマホが震えた。


 


「……あ」


 


 七海の表情が、ほんの少しだけ曇る。


 


「どうした?」


 


 俺が声をかけると、七海はスマホの画面を俺に見せた。


 


《芸能週刊ゴシップ:NANA、プライベートで男性と同居疑惑!?》


 


「マネージャーから、“至急対応します”って」


 


 うわ、やば。

 これ、マジでバレたら、七海のキャリア終わるやつじゃん。


 


「どうする?」


 


 七海は小さく、でも強く言った。


 


「守ってね、悠翔」


 


 俺は――

 迷わず、頷いた。


 


「もちろん」


 


 甘々なだけじゃない。

 彼女は、芸能界という戦場で戦ってる。

 俺も、夫として――その戦いに、背中を預ける。


 


 ……明日から、もっと気を引き締めないとな。


 


 




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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