第2話:冷戦モード全開!? クラスでの冷酷対応、でも家では「添い寝していい?」の甘々攻撃
朝から胃が痛い。
登校しただけで、クラスの空気が氷点下。
俺は一人、席に座っているだけなのに、周囲の視線が痛い痛い。
「真中、マジで勘違いしてんじゃね?」
「昨日、如月に話しかけただけで満足したんだろ」
「いや、そもそも会話成立してねーし。『誰?』『キモ』で完封負け」
……はい、その通りです。
でも俺、昨晩その“キモ”って言った人に、抱きつかれて寝たんですけど。
……言えるわけがない。
七海はというと、今日も完璧な一軍ギャルモード。
長い脚を組んでスマホを弄り、
近づいた男子には「邪魔、どっか行って」と一蹴。
女子たちとも適度な距離感を保ちつつ、女王として君臨していた。
その美しさ、まさに国民的アイドル――
俺の奥さん、如月七海。
でも、今は“他人”。
俺は心の中で叫んだ。
――切り替え早すぎるだろ!
◆
昼休みも、放課後も、俺たちは他人のままだった。
俺は誰にも気づかれず帰宅し、静かにドアを開ける。
「悠翔、おかえり~♡」
そして、家に帰った瞬間これだよ。
今朝あんなに冷たかった七海が、
部屋着に着替えて、すり寄ってくる。
「ねえ、今日も一緒にお昼寝しよ?」
「私、悠翔の隣じゃないと寝れないんだ~♡」
パーカーの袖から覗く細い腕が、ぎゅっと俺に巻きついてくる。
甘い声と柔らかい体温に包まれて、俺の心拍数は急上昇。
「い、いや……宿題とか……」
「宿題あとでいいでしょ? 今は、私を優先して」
どうしろってんだよ、このギャップ。
◆
夕食後。
ソファで横になっていた俺に、七海が小さな声で囁く。
「悠翔、今日は……一緒に寝よ? ちゃんと、ぎゅーってして」
――無理。死ぬ。
心臓が持たない。
「な、七海、明日も学校だし、あんまり……」
「わかってるよ。でも……
学校では“冷たい”しかできないから、家では“好き好き”してもいいでしょ?」
そう言って、寂しそうに微笑む七海。
ああ、そうか。
彼女も、辛いんだ。
学校で俺に冷たくするのは、彼女自身も傷ついてるんだ。
――それなのに、俺が変に意識して距離を置いたら、彼女はもっと寂しくなる。
「……わかった。じゃあ、今日は一緒に寝よ」
「やった♡ 悠翔、大好き!」
パァっと花が咲いたみたいに笑って、
七海は俺の腕にしがみついてきた。
この笑顔を守りたい、って思った。
でも――
明日の学校ではまた、
「誰?」「キモ」と言われるんだろうな……。
胃が痛い。
でも、幸せだ。
この甘々な時間が、
いつか“本当の夫婦”になるまで、俺は――
……もうちょっと頑張ってみるか。
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