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第16話:暴かれる秘密――信じたい想いと、二人の選択


 


――修学旅行、最終日の夜。


 


 空気が、重かった。


 


 俺は呼び出されていた。

 場所は、旅館の屋上。


 


 



 


「……来たか」


 


 


 そこにいたのは、美月だった。


 


 そして――


 


 


「七海も」


 


 


 振り向くと、七海が立っていた。


 


 



 


 三人。


 


 逃げ場のない構図。


 


 



 


 夜風が吹く。


 


 



 


「単刀直入に聞く」


 


 


 美月が、静かに口を開いた。


 


 



 


「お前ら、本当はどういう関係?」


 


 



 


 核心。


 


 



 


 もう、誤魔化せない。


 


 



 


 七海は、少しだけ目を伏せた。


 


 



 


 でも、すぐに顔を上げる。


 


 



 


「……ただのクラスメイト」


 


 



 


 即答。


 


 



 


 でも――


 


 



 


 その言葉に、迷いがあった。


 


 



 


 美月は、一歩踏み込む。


 


 



 


「じゃあなんで、あんな顔するんだよ」


 


 



 


「……何の話?」


 


 



 


「気づいてないと思った?」


 


 



 


 美月の声が、少しだけ強くなる。


 


 



 


「お前、真中を見る目」


 


 



 


「他人じゃない」


 


 



 


 沈黙。


 


 



 


 俺の心臓が、うるさい。


 


 



 


 七海の手が、ほんの少しだけ震えた。


 


 



 


 



 


「……お願いだから」


 


 



 


 その時。


 


 



 


 美月の声が、少しだけ柔らかくなった。


 


 



 


「嘘じゃなくて、正直に言ってほしい」


 


 



 


「私は、お前らのこと……信じたい」


 


 



 


 その言葉は、本音だった。


 


 



 


 ライバルでも、アイドルでもなく――


 


 



 


 一人の“仲間”としての言葉。


 


 



 


 



 


 七海が、ゆっくりと息を吸う。


 


 



 


 そして――


 


 



 


 俺の方を見た。


 


 



 


 その目は、迷っていた。


 


 



 


(言うか……?)


 


 



 


(ここで全部……)


 


 



 


 



 


 でも。


 


 



 


 七海は、首を横に振った。


 


 



 


「……言えない」


 


 



 


 その一言。


 


 



 


 でも――


 


 



 


「今は、まだ」


 


 



 


 続いた言葉。


 


 



 


 



 


 美月の目が、細くなる。


 


 



 


「……そうか」


 


 



 


 一瞬、沈黙。


 


 



 


 そして――


 


 



 


「じゃあ、私が勝手に判断する」


 


 



 


 



 


 美月は、二人をまっすぐ見た。


 


 



 


「お前ら、付き合ってるだろ」


 


 



 


 核心一歩手前。


 


 



 


 七海は、何も言わない。


 


 



 


 俺も、黙る。


 


 



 


 



 


「……なるほどな」


 


 



 


 美月は、小さく笑った。


 


 



 


「十分だ」


 


 



 


 



 


「それ以上は、聞かない」


 


 



 


 



 


 その言葉に、空気が変わった。


 


 



 


「でも」


 


 



 


 



 


「バレたら終わるぞ」


 


 



 


「お前らだけじゃない」


 


 



 


「Seven☆Daysも」


 


 



 


 



 


 現実。


 


 



 


 重い現実。


 


 



 


 



 


 七海が、静かに頷く。


 


 



 


「わかってる」


 


 



 


 



 


「それでも――」


 


 



 


 



 


 七海は、前を向いた。


 


 



 


「私は、全部守る」


 


 



 


「アイドルも」


 


 



 


「グループも」


 


 



 


 



 


「――この関係も」


 


 



 


 



 


 その言葉に、美月は目を見開いた。


 


 



 


 そして――


 


 



 


 ふっと、笑った。


 


 



 


「……ほんと、バカだなお前」


 


 



 


 



 


「でも、嫌いじゃない」


 


 



 


 



 


「いいよ」


 


 



 


 



 


「協力してやる」


 


 



 


 



 


 その一言。


 


 



 


 



 


「え……?」


 


 



 


 



 


「バレないようにするんだろ?」


 


 



 


「だったら、味方は多い方がいい」


 


 



 


 



 


 完全に、味方になった。


 


 



 


 



 


「ただし」


 


 



 


 



 


「いつか、自分で決めろ」


 


 



 


 



 


「隠し続けるのか、全部晒すのか」


 


 



 


 



 


 その言葉は――


 


 



 


 未来への“伏線”だった。


 


 



 


 



 


 その夜。


 


 



 


 部屋に戻る途中。


 


 



 


「……助かったな」


 


 



 


 俺が言うと、七海は小さく笑った。


 


 



 


「うん。でも――」


 


 



 


 



 


「ちょっとだけ、言いたくなった」


 


 



 


 



 


「全部、本当のこと」


 


 



 


 



 


 その声は、少しだけ寂しそうだった。


 


 



 


 



 


 俺は、そっと言う。


 


 



 


「いつか、言える日来るだろ」


 


 



 


 



 


「その時は――」


 


 



 


 



 


「隣にいる」


 


 



 


 



 


 七海は、少しだけ目を細めて――


 


 



 


「……約束ね」


 


 



 


 



 


 誰もいない廊下で。


 


 



 


 ほんの一瞬だけ――


 


 



 


 手を繋いだ。


 


 



 


 



 


 その秘密は、まだ誰にも知られていない。


 


 



 


 でも確かに――


 


 



 


 少しだけ、“未来”に近づいた。


 


 


――つづく



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


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