第9話:Seven☆Days、解散危機――芸能界の裏切りと、君と隠し続ける決意
――放課後。
俺は七海から、突然呼び出された。
「悠翔、お願い……今日、事務所に一緒に来て」
七海の顔は、今までにないほど真剣だった。
学校では“氷の女王”、家では“甘えん坊妻”な彼女が、
“国民的アイドル”としての顔で俺に頼んでくるなんて。
俺は迷わず、頷いた。
「わかった。……行こう、一緒に」
◆
ステラプロ本社――
重たい空気が支配していた。
「Seven☆Days、解散……ですか?」
七海が社長・城之内玲司に問いかける。
「ああ。
美月の引退宣言と、凛花のソロ復帰計画。
さらに、他のメンバー数人からも契約見直しの申し出が出てる」
事務所内の会議室にいたのは、
七海、美月、凛花、他のメンバー、マネージャー・風間真理子――
そして、場違いな俺だけ。
「私は、Seven☆Daysをやめない」
七海がはっきり言った。
「でも……一人じゃ、守れない」
◆
美月が静かに言葉を重ねる。
「私は、七海のライバルだから。
でも、Seven☆Daysの解散なんて望んでない。
……私も、帰る場所が欲しいんだよ」
凛花も、困ったように微笑んだ。
「私、悠翔先輩といられれば、どこでもいいけど……
お姉ちゃんの笑顔、もっと見てたいかな」
「……ありがと、凛花」
◆
メンバーたちも次々と意見を出す。
「私はステージが好きだから、続けたい」
→ 陽菜
「解散したら、推し活できなくなるじゃん」
→ 花音
「私たち、夢途中で終わらせたくないでしょ」
→ 紫音
バラバラになりかけた心が、少しずつ、繋がっていった。
◆
でも――
芸能界は甘くない。
「それでも、スポンサーが撤退したらどうする」
社長・城之内が言う。
「新曲もライブツアーも白紙、
メディアもこの“男関係”騒動でスポンサー離れが深刻だ」
――その“男関係”って、俺のことだよな。
俺が関わったことで、
七海たちの夢が壊れかけてる。
悔しかった。
俺なんかが近くにいるだけで、七海が傷つくなんて。
◆
その夜。
俺と七海は、静かな部屋で向き合っていた。
「悠翔……もう、距離を置く?」
七海の声は震えていた。
「でも、私は一緒にいたい。
たとえ、全部失っても、悠翔だけは――」
俺は、言葉を遮った。
「……バカ。
距離なんて置かねーよ。
全部守る。お前の夢も、Seven☆Daysも、俺との秘密も」
「悠翔……」
七海は、そっと俺に抱きついた。
「好き……」
俺も、そっと彼女の髪を撫でた。
「俺も」
たとえ結婚は、まだ誰にも言えなくても。
俺たちの絆は、本物だから。
◆
翌朝、学校。
美月と凛花は相変わらず、俺に絡んでくる。
「悠翔、昨日の夜は、誰と過ごしてたの?」
「先輩、今日は私のマネージャー役してね♡」
七海は、冷たく言い放った。
「はぁ?
こいつ、召使いなんだけど。
勝手に借りないで?」
――はい、俺の平穏、今日もありません。
◆
芸能界では、解散危機を乗り越えるために
新たなライブツアーとメディア戦略が動き始めていた。
だが、次に待っていたのは――
もっと大きな、“芸能界の闇”だった。
――つづく
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