休日3日目 お泊り会 旧友再会編
⦅みつ……いるか……? いたら、返事をしてくれないか……?⦆
ミストは広い部屋へ本人がいると確信して、問いかけた。
「………? だ……れ……?」
⦅あはは、一応は喋れるんだね。優しい人達に教わったんだね。みつ……久し振りだね……見ないうちに成長したな……⦆
「みつ……? わたしの……名前……」
⦅そうだよ。思い出してきたかな……?⦆
ミストは優しく問いかける。そこにチェフが首を突っ込んだ。
『えっ……? み、みつ……? フミャの名前って、みつって言うの……?』
⦅しっ……! 静かに……!⦆
「わたし……みつ……みつ……あなたは……?」
⦅俺は……今はミストって呼ばれているけど、「ルーン」と名乗れば、分かってもらえるかな……?⦆
「る……るー……るーん……うぅっ!!」
フミャは強烈な頭痛に襲われ、頭を押さえ、暴れ始めた。
『ふ、フミャ!? 大丈夫!?』
⦅しっ! 手を出さないでくれ……! みつは今……生前の記憶を取り戻そうとしているんだ……⦆
ミストが手でチェフの行く手を遮った。
『そ、そうなの……? うちには、そうには見えないけど……』
⦅みつの中で生前の記憶が蘇っているんだ……しかし、逆にそれが死後とぶつかり合っている……⦆
『だ、大丈夫なのそれ……? 死んだ世界でまた死ぬなんて事ないわよね……?』
毎日、フミャを見ているチェフにとって、この光景は心配でならなかった。
だが、ミストは……
⦅多分、それはないと思うよ……きみの社長さんがメイドさんに脳天貫かれても死なないのと同じだ……⦆
『メイド長……そんな事を……って、なんでそんな事知ってんのよ……』
まるで見透かされたかの様に言われたので、問いただすチェフ。すると、予想外の答えを返すミスト。
⦅なんせ、俺の会社には望遠鏡があるんでね? 行動は筒抜けだよ……?⦆
『うちの周りって何もないはずなんだけど……って、そんな事よりもフミャは!?』
フミャがいつの間にか静まってしまったので、話しに夢中になってしまい、気付かなかったチェフ。
⦅今は気を失ってしまったみたいだね……致し方ない事だ。また後で彼女と話そうかな……⦆
『そ、そうね……うちも気になるし……あんたの事も会社の事ももう少し詳しく教えなさいよ? 勝手に覗いてるっていう覗き魔として、見過ごせないわ……!』
⦅いや……俺はそんな変態じゃないから……仕事の為にやってるだけだから……⦆
ミストはため息をついて、フミャの布団を整えた。そして、掛け布団を掛け直した。その後、3人は部屋を後にした。




