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猫にこんばんは  作者: 犬鳴 椛子
第7章 休日にこんばんは 3
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休日3日目 お泊り会 部隊乱入編

 鈴音をベッドへ寝かしつけ、ようやく、一息つく事が出来たチェフはソファーに腰をかけていた。


『はぁ……やぁっと、休憩できるわぁ……』


 チェフは5つ離れた鈴音の身体を後半は引きずって、運んでいた。体格に差があるにも関わらず、運び切ったチェフは自分を褒めたいと思った。


 そんな事を思っているのも束の間……

 チェフは外からこの辺りではあまり聞かない音、しかし、よく耳にする音が聞こえてきた。


『はぁ、やっと休めると思ったら、今度は新手の特殊部隊かしら? 仕方ないわね……』


 そう呟きながら、チェフは足に装着していたガンホルダーからコルト・パイソンを抜き取る。そして、ソファーの後ろに身を潜めた。



 カタッタッタッタッタッタッ!(階段を上がる足音)


『来なさい……。ここは何としても、死守してみせるわ……。フフフッ……』


 カッコいいセリフを本人は言ったと思っている、ついでに燃えてきた様でうっかり笑いが出てしまった様だ。




 その頃、ドアの向こうでは部隊がドアの横で入る為の合図をしていた。部隊のリーダーがハンドシグナルで突入の指示を出す。

(入れ! カイロ!)

(ラジャッ!)


 部隊の1人であるカイロが勢い良くドアを蹴破る。ジリジリと忍び寄りながら、辺りを見回すとどう見ても怪しい倒れたテーブルが1つあった。

 M4A1カービン(ロングマガジン装備)を構えながら、テーブルにカイロはゆっくり向かう。

カイロが振り向き、リーダーに発砲の許可をハンドシグナルで確認した。そして、リーダーからテーブルの面を左右に1発ずつの発砲の許可が出た。


 この時、カイロは緊張していた……。


 ……ロックならともかく……3点バーストになったら、どうしよう……と……。

 実は新人であるカイロは初の突入にかなり戸惑っていた。新人なら失敗を恐れるモノである。

 少し戸惑いながらもロックを外し、3点バーストじゃない事を確認しながら、単発に切り替えた。



 ……よし、いける……!


 ……と決断を済ませるものの、M4A1カービンのグリップを握っているグローブは汗ばんでいた。

自ら、フラグを立てるカイロ。そして、彼は銃の引き金を引いた。



 ……バンッ! バキュッ! バキッ!


 テーブルの右側に1発、左側に1発、真ん中上に1発、計3発をテーブルに撃ち込んだ。静寂の中、カイロはテーブルの裏に回り込んで、隠れていただろう負傷者もしくは死体を確認をした。

 ……しかし、そこには誰もいなかった……。


(ば、ばかな……!?)


 完全に罠だった……。テーブルは部隊の目を引く為の囮に過ぎなかった。そう勘付いた時には、既に遅かった。

 扉の横にコルト・パイソンを片手で構え、不気味に瞳を赤く光らせ、微笑みながら、さらには殺気まで出し始めるチェフがいた。



 ……油断した……。完璧に油断していた……。しかも、構えているのが女の子だなんて、さらに思いもしなかったカイロは無心でM4A1カービンの銃口をチェフに向けた。

 しかし、先に構えていたコルト・パイソンのチェフの方が当然早く、357マグナム弾を躊躇ためらうことなく撃った。

 銃弾がカイロの方に向かって行ったと思われたが、奇跡的にM4A1カービンの銃口に入った。すると、M4A1カービンが爆発して、木端微塵こっぱみじんになってしまった。

 爆発によって、自分で撃ったテーブルに吹っ飛ばされたカイロは意識が朦朧としていた。


(……うっ……! わたしの銃が……ガクッ……)

 よりによって、自分の身体より銃の方を心配する新人のカイロは、そのまま意識を失った。



『あははっ! 初めて、片手で撃てたわ! しかも、あたしの初めてが銃口に一直線だなんて! もう最高ね!』

 どこか意味深に聞こえるが、チェフは自分の初めての経験を飛び跳ねながら、歓喜していた。



(……た、隊長! カイロがやられました! どうしますか!?)

(あぁ……どうしよ……)

 部隊達はプロの使い手だと勘違いしている上に、チェフの歓喜の声に唖然していたのだった。

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