休日2日目 歌姫ライブカフェ -3
明るく照らされたライトステージに歌姫鈴音が走って、登場してきた。
〔みんな~! おっまたせ~! 鈴音だよぉ~!〕
『きゃー! 鈴音ー! 愛してるー!』
「ふみゃぁ……」
突然の光景にフミャは唖然としてしまった。ごく一部の猫を除けば、猫はライブを見ない。聞かない。行かない。の「3ない」がごく普通である。
しかし、唖然としている理由はまったく違う理由だった。
……薄暗く、一部が明るい世界
……響く大きな音
……突然の環境の変化
その瞬間、フミャの頭の中でフラッシュバックが起こった。
自分が猫であったという記憶
友人を亡くした時の記憶
街から逃げて隠れていた時の記憶
変なやつに蹴り飛ばされた記憶
息絶える寸前で女性に助けてもらった記憶
そして、自分が猫から人間へと変化した記憶
フミャは一気に過去を振り返った。発狂まではしなかったものの、猫の如く小さなテーブルの下に素早く逃げ隠れた。しかし、テーブルの幅が小さいので隠れたとも潜り込んだとも言えない状況になっていた。
『フミャ? どうしたの?』
「ふぅぅうううう……!」
〔あれれ~?? お客様どうされたのですか~? まだライブは始まったばかりですよ~?〕
「にゃぁぁあああああ……!(威嚇)」
『ま、まさか……猫に戻ったんじゃ……。そんな話聞いてないわよ……』
〔ん~……? とりあえず、ライブ続けても大丈夫でしょうか~……?〕
『あっ……大丈夫よ……? 心配ないから続けて?』
〔じゃぁ、遠慮なくいっくよ~! いえ~ぃ!〕
……そして、チェフはフミャの猫化と格闘しながら、ライブを楽しんだ。堪能したチェフの顔はフミャの爪跡だらけになっていた。
猫フミャはライブが終わるまで治まらなかった様で暴れる猫フミャを押えながらも、ライブを楽しむど根性を見せつけるチェフだった。
〔チェフさん? 大丈夫ですか? はい、温かいタオルです〕
『あ、ありがと……って、痛ったぁああ!!?』
温いタオルで傷に触れると強烈に痛い。チェフは悶絶躃地していた。
〔ちぇ、チェフさん!? 大丈夫ですか!?〕
『か、顔がぁああ! 傷がぁああ!』
〔あっ、傷に温かいタオルはまずかったですね。テヘッ☆〕
『ど、ドジっ子キャラか……あんた……ゼェゼェ……』
チェフは息切らせながらも、ツッコミを入れた。
*悶絶躃地とは、苦しみもだえて、ころげまわる事です。




