ラントのオフィスにて
……これはチェフとフミャが外出する少し前の事、ラントのオフィスでの出来事である。
わたしは神様……名前はまだn……
……ズドーン!
突然、わたしの脳天を50口径の弾丸が物凄い銃声とともに貫いた。
《こら、メイド長くん? ぼくが自己紹介をしてる最中に射撃するとは何事かね!? しかも、綺麗におでこのど真ん中に命中させてくれてさ……》
〈失礼致しました。過去にも同じ様な事を聞いた気がしましたので、遮らせていただきました〉
《あのね、きみは……ぼくが普通の人間で、その弾がおでこ撃ったら、死ぬんだよ……? ましてや、そんな対物用ライフルとか撃ったら、木端微塵になるとこだよ? 普通は……》
〈申し訳ありません。神様が同じ過ちを繰り返さない様にと思い、貫かせていただきました。が、神様であるランプ様には弾丸は通じない事は存じておりますのでよろしいかと思いまして〉
そう言いながら、メイド長はバレットのコッキングレバーを慣れた手付きで引き、薬莢を出した。次にマガジンを外して、後ろスカートの裏から先ほどの弾丸取り出して、ラントの前で構わず、装填する。
《あの……メイド長くん……? スカートをめくったのはいいんですが……なんで、弾を常備しているんですか……?》
〈はい。メイド長たるもの、常に警戒は怠っておりませんので、弾を持つ事くらい当然の事です〉
何故か、敬語になる神様を気に掛けることも無く、メイド長は真顔でバレットにマガジンをセットした。
《ちょっとぉおおお!!? 敬語をスルーしないでくれるかなぁあああああ!!?》
〈はい、下心と敬語に興味がありませんでしたので、放っておきました。〉
《君は実に鬼だなぁ……もう少し、容赦してくれよ……》
〈このオフィスに容赦の二文字はありません。わたくしの頭には殺生しかありませんので〉
《怖いわぁ……このメイド長君怖いわぁ……》
そんな会話をしているとメイド長はバレットを背中に背負った。
〈ラント様。わたくしは元戦場の女です。殺生をする事なんて、当たり前としか考えておりません〉
《あぁ……そうだったね……メイド長君は遠距離で援護してたんだっけ?》
〈左様でございます。わたくしは遠距離攻撃を得意としておりますので、対物用ライフルは常に常備しております。久しぶりに頭を撃ち抜けて、少し気分が晴れましたわ。ありがとうございます〉
《あっ、うん……ぼくは気分あまり良くないけど、どういたしまして……》
〈ふふっ……それでは、失礼致します〉
メイド長はわずかな微笑みを見せた。それを見た神様は謎の温かみと強い寒気を感じた。
《め、メイド長くんが微笑んだ……う、嬉しい様な、恐ろしい様な……》
そんな事を言って、窓の外を見るとハンビーが走る姿が見えた。しかも、物凄いスピードで……
《フミャくん……。大変な旅行になるだろうな……。さて、ぼくはモルモン書でも読もうかな……》
神様は本棚からモルモン書を取り出し、モルモン書を読み始めた。
《あぁ……文字ばっかり……読むのめんどくさっ……》
そのまま、モルモン書を元に戻し、自分の椅子に戻って、腰を掛けると窓の外を眺めていた。
《チェフくん……早く帰ってこないかな……》
モルモン書はイエス・キリストについての事が書かれてある本です。
※自分自信は宗教が嫌いなので、全く興味はありません。




