休日 2日目-ブレックファースト(中編)
『それで朝食はまだなのですか?』
《落ち着きたまえ。さっきも言っただろう? 楽しみは最後に取っておくものだとね?》
『楽しみは朝食の後でもいいと思うんですけど……。ケチですか?』
《け、ケチ言うなし!! うっ……オッホン……》
『そんな咳払いして、誤魔化さなくてもいいですよ』
《静かにしたまえ、チェフくん。フミャくんが見ているだろう? それに美味しい食事を楽しみに待つ根気も大事だと思わないかね?》
『もちろん、大切な事ですが? でも、食事が出てないのは明らかにおかしいですよね?』
本来なら、降りてきたら、すぐに食事の用意がされているはずなのだが、今日に限っては用意がされていない。
箸もスプーンもナイフもお手拭きも紙ナプキンも何一つない綺麗なテーブルだった。
「おなかすいたよ〜。ごはんまだ〜?」
《まぁ、落ち着きたまえ。すぐに用意させよう》
神様はカッコ良く、指を鳴らした……が、指パッチンが出来ないので、音が鳴らなかった。
《あ、あれ……? おかしいな……?》
今日は調子が悪いという風に見せて、誤魔化した。
しかし、チェフの目は誤魔化せなかった。
『全く……出来ないのに格好付けないで下さい』
そう言うと、チェフが指を鳴らした。すると、扉からメイド達が食事と食器を全て持ってきて、手際良く用意していく。
「わぁ〜、すご〜い!」
「「全ての用意が整いました!」」
メイド達は声を揃えて、終了の報告を告げた。
『ありがとう。あなた達も食事にしなさい?』
「「お嬢様のお心遣い、大変恐縮でございます。」」
メイド達は一礼をすると、部屋を出て行った。
『だから、格好付けるのはやめてくださいと言ってるのに……』
《さ、さぁ〜、早速、朝食を戴こうじゃないか〜! なっ? 戴こ〜う!》
『やれやれ……』
どこまでも神様の威厳を保とうと必死の神様だった。




