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猫にこんばんは  作者: 犬鳴 椛子
第五章 休日にこんばんは 2
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休日 2日目−グッドモーニング(後編)

ボタンを押すとエレベーターはすぐに来た。もちろん、秘書専用のエレベーターなので、上り下りが他のより速い。

ただし、重力をもろに受けてしまうので、ある意味、欠陥品なのかもしれない。


『さ〜て、今から下に下りるわよ? フミャ?』

「うん! 早く行こう!」

『あ〜……言わなくても、速く着くと思うわよ……?』

「じゃぁ、行こうよ! 早く早く!」

『ちょっ……フミャ……』

 チェフは物凄くノリ気ではなかった。

 しかし、フミャはお構い無しに食堂の間のボタンを押した。その瞬間、ガクンッとエレベーターが動きだした。


〔下へ落下します〕と言うと一気に急降下した。


「ふみゃぁぁあああああ!!?」

『おぉちぃつぅけぇえ!! フミャぁぁああ!!』


落下速度はフリーフォール並みで身体が宙を舞い、二人ともエレベーターの天井に背中が付いていた。


「チェフぅうぅう!! 浮いてるよぉおぉ!!」

あまりの速度にフミャも恐怖している……と思ったが、さり気なく、楽しんでいる様に見える。


『も、もうすぐ着くからぁあ! もう少し耐えてぇええ!!』


しかし、チェフは確実に恐怖していた。

フリーフォールの様に落下するエレベーターの中で二人の叫び声が響き合う。

そして、エレベーターが急に止まると車のエアバッグの様な物が床と天井から出てきて、二人を受け止めた。受け止めたと言うより、バウンドさせている。


「あはははは! もう一回、もう一回!」

フミャはご満悦の様だった。


『ご、ご飯だから……また後で……』


チェフはゲッソリとしていた。チェフは大の絶叫マシン嫌いであり、このフリーフォールシステムはまさに拷問と同等のレベルであった。


もちろん、このシステムを採用したのは、神様のラントであった。

そのラントも食事には下に来る。しかも、チェフよりも早く来て、チェフが怯えている姿を見て、優越感に浸る。実に悪質な神様である。

これがチェフのノリ気がしないもう一つの理由だった。


この扉が開けば、朝食の時間である。開けば、神様やつが確実にいる。


今、エレベーターのとびらが開かれた。

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