休日 2日目−グッドモーニング(前編)
朝になり、チェフは目を覚ました。
『んっ……朝……? わたし……一体、何を……? はっ!? フミャは!?』
チェフは勢い良く起き上がり、辺りを見回した。
「あっ! おはよう! チェフ!」
声のする方に目を向けると、そこには水色のキャミソールにピンクのレースのミニスカートを着ているフミャが立っていた。
髪型はポニーテールに結んでいて、少しソワソワしているのもあり、ポニーが揺れていた。
『フミャ……? どうしたの? その服装……? 凄く可愛い……』
「ほんと……? メイドさんたちがね……? くれたんだぁ……」
少し照れながら、下を向いて、モジモジしている。
『あいつらか……。良い仕事するじゃないの……。じゃぁ、フミャ? ご飯食べたら、散歩にでも行く? この天国を案内してあげるわ』
「ほんと!? うれしいな!」
フミャは物凄くはしゃいでいる。そして、物凄くポニーが揺れている。
軽いノリで言ったつもりだったチェフだが、言ってしまった以上、断れる雰囲気ではなかった。
『ん~……じゃぁ、朝食食べたら、出発するわよ……?』
「は~い! 楽しみだなぁ……♪」
元は猫なのに、まるで犬の散歩をするかの様にフミャは浮かれていた。相当、好奇心が旺盛なのが寝起きのチェフでもよくわかった。
『さて、わたしは髪を整えてから、服を着替えようかな? どんな服がいいかしら……?』
〈タンクトップにボーイッシュに短パンなんていかがでしょうか〉
『どっから出てきた神出鬼没長さん』
「ふみゃ!? びっくりしたぁ……」
〈失礼しました。フミャお嬢様。お詫びにこちらを差し上げますわ〉
メイド長がフミャに手渡したのは、乾燥鯖だった。
「わ〜い! ありがとう! 食べていいの……!?」
フミャは今すぐ、食べたくて、仕方がない様だった。しかし、メイド長は安定の真顔で言った。
〈いえ、今はダメです。おやつの時間にお召し上がりください。良いですね?〉
「おやつ……その時間に食べて……いいの?」
〈はい、おやつの時間にどうぞ。お魚もおやつに入りますからね。場合によってですが〉
『何よそれ……? いりこ感覚みたいな言い方ね……』
〈そんな感じです。それはともかく、お食事が出来ておりますので、準備が出来ましたら、下にお越し下さい〉
『分かったわ。ありがとう』
〈それでは、失礼します〉
メイド長が部屋をちゃんとドアから出ていった。
『相変わらずの神出鬼没ね……。まぁ、準備出来たら、下に行きましょう』
「うん! 分かったよチェフ!」
かなり、張り切っているフミャであった。




