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猫にこんばんは  作者: 犬鳴 椛子
第三章 休日にこんばんは 1
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休日 1日目−5

 貧血で気力すら失ってるチェフは夕方まで何もせず、グッタリもしていた。

 フミャはムシャムシャと安売りの生サバをむさぼり食っていた。

 どれだけ買い溜めしているのか知らないが、相当、サバを食い荒らした様だ。その時、また扉をノックする音が聞こえた。

『は〜い、起きてますよ〜。入っていいよ〜』

 物凄く大雑把おおざっぱにチェフは答えた。

〈失礼します〉

 さっき、フミャをデコピンして、冷えピタを貼った豪腕メイド長だった。

〈チェフ様。つい先程、しかばねになっておりましたが、またそこの木製の板に倒れたのですか?〉

『んっ……? あぁ……。そうっぽいね……。覚えてないけど……』

チェフは目を逸らし、フミャを見つめる。

〈彼女は何も関係ありませんよ。恐らく、ここまでお連れになったのでしょう? そして、またベッドの横に倒れた。顔面ぶつけて、血塗れにして……。という具合でしょうね〉

 実に察しの良いメイドだった。もはや、完全正解フルコンプリートしている。このメイド長は、おさだけあって、只者ではない様だ。


「ねぇ、チェフ……? この人、だぁれ……?」

『んっ……? あぁ……ここに仕えるうちのメイドのトップだよ。まぁ、ちょっと分かりやすく言えば、お手伝いさんの隊長ってとこかな。うちとは、体型が本当に真逆でそこが腹立つな……。オマケに美人だし……』

〈えぇ、胸は鉄板、身長も低めでほんと中学生と言う単語がよくお似合いです。あわよくばでございますがね〉

 ズバッと反論もなく、むしろ、反対言葉の様に答えを返してきた。

『ぬぐぅっ! う、うるさいわね! うちだって、その気になれば、あんたなんか超えられるわよ!』

〈断言しますが、1000%無理でございます。少なからず、あなた様はもう大人なのですから、今更、わたくしの様な体型には、美容整形でも行わない限り、近づけるはずがありません。と申しましたが、美容整形は大変危険が伴いますので、あまりお勧め致しません〉

『あ、あぁ……あんたねぇ……。さっきから聞いていれば、言いたい放題言ってくれて……!』

チェフは怒りに震え上がり、中で溜まっていた怒りのTNT爆発寸前のその時だった。



〈お顔はとても可愛いのですから、そんなに怒り全開のお顔ですと可愛いお顔が勿体無いですよ?〉



 メイド長の一言でチェフの怒りが一気に鎮火した。


『う、うち……可愛い……?』

 チェフはとてつもなく、戸惑っていた。急に可愛いと言われたら、誰でも戸惑うものだ。

「チェフ、可愛いよ……。わたし、そう思ってた……」

『ふ、フミャまで何を……!?』

 かなり戸惑っていた。一人と一匹に可愛いと言われて、物凄くテンパって、チェフはごまかす為に布団の中に潜り込んだ。

「あっ、チェフ隠れた……」

〈これだけ、動揺する秘書です。可愛くないはずがありませんよ。さて、洗濯物は干しておきましたから。あとは、この部屋の掃除ですが……。だいぶ、散らかってますね。今日はこの調子ですし、掃除はまた明日にします。下のフロアでお食事を準備致しましたので、チェフ様はお顔を洗ったら、いらして下さい。あっ、あとフミャ様ですね?先程はわたくしのご無礼をお許し下さい。では、お待ちしております〉

 そう言うと、メイド長はパックを全て拾って、扉の前でお辞儀をして、部屋を後にした。

「めーどさん、お部屋……キレイにして……いったよ」

 フミャはメイド長の事が気に入った様である。


 そして、メイド長にデコピンされた事も未だに知らないのであった。

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