第17話 新ジャンルの曲&長年の悩み
7月のある日。
彼からいつも通り、メッセージが届いた。
<今日は、別れと破局、そして再会ジャンル専門のスローバラードを作った。>
<まず、ないとは思うが、千歳と別れる設定がテーマの曲を作ると、とてもいいメロディが生まれる。名曲が沢山できています♡>
別れと破局、そして再会。
私は誠二さんが、そのようなジャンルの曲も作れるのか、と思った。
同時に、いろいろなジャンルの曲を作っているので凄いな、という彼への尊敬の気持ちがわいてきた。
数日後。
<明日の土曜日 23時。つまり、毎週土曜日の23時からも、今度は別れ&再会の曲が、いつもの動画サイトで流れます。>
<土曜日のゴールデンタイム、楽しみです。どんな動きをみせるか♡>
と彼から届いたメッセージ。
<そうなのですね! 承知致しました♡>
【一体どのような曲が流れるのか、明日が楽しみだ】と思った私なのであった。
次の日。
彼の新ジャンルのスローバラードの曲が、予定どおり公開された。
次の日。
私も早速、公開された曲を聴いてみた。
心に残り、なんだか悲しくなるような曲だった。
私は泣いた。
そして、彼とは別れたくないな、と強く心の中で感じた。
今思えば、そのときは彼と離れたくなかった。
つまり、それほど彼を愛していたのだ。
更に数日後。
新ジャンルの曲の再生回数が、今まで投稿した動画より伸びていた。
私はそのことを、誠二さんに報告する。
彼も、当然驚いていた。
<報告してくれてありがとう、千歳♡ 曲作り、もっと頑張るよ。>
私はそのとき、彼が体を壊さないか、とても心配になった。
<無理はしないでくださいね、あなた......>
このときの私は、今後があんなふうになるなんて、思いもしなかった。
7月の中旬。
もうすぐ、梅雨明けという時期である。
外も、前よりだんだんと暑くなってきた。
彼が唐突に悩みを打ち明けた。
私は、解決策を20分ほどで考え、彼に提案をした。
<僕の睡眠と食生活は、長年の悩みです。作編曲家の方で仕事のオファーが来たら、一発で解決するので、そしたら家政婦(夫)さん雇います。>
<睡眠の解決策は練るしかないですね。曲作りは断念するしかない。でも、あふれ出るインスピレーションで、なかなか眠れません。だから眠くても、我慢して曲を作ってしまいます。>
<これからは、マジで考えます。真剣に考えてくれて、ありがとう♡ 感謝します♡>
そのような返答が返ってきた。
私はその日、彼の長年の悩みを考えすぎて、あまり眠れなかった。




