第10話 生涯最後の女性
5月になった。
桜の季節も終わり、新緑の季節に入った。
5月上旬頃。
私は夜に、彼とチャットで話していた。
どうやら彼は、また音楽の世界に関わることを決めたようであった。
とある動画サイトに曲をだす、ということを私にチャットで伝えた。
・これからは、作詞・作曲・編曲をして生きていきます♡
私もチャットを返す。
・かしこまりました♡ 私も応援しますね!
すると、彼は私に唐突に告げた。
・でもこれは、千歳が居て成り立つことです。
・僕はもう、君を生涯最後の女性と決めているので♡
・フィーリングもぴったりだし♡
・!?
私は、とても驚いた。
同時に、こんな私が彼の生涯最後の女性で本当によいのだろうか、という疑問もわいてきたが、それを私は振り払いながら答える。
・承知致しました、あなた♡
・でも、僕は40歳くらいの女性が来るかなと思っていたけど、まさか20歳の子が来るとは思わなかった♡
チャットから分かるとおり、彼にとって私が来たことは、予想外のようであった。
・そうでしたか♡
私は、とても嬉しかった。
そして、彼に1つ気になっていることをきいてみた。
・か、体の相性は、どうでしょうね......♡
・体の相性か..... 下半身がもうあまり元気ないんだ、ごめん......
私は、彼を勇気づけるようにチャットを打った。
・大丈夫です。そのときになれば、きっと......♡
・っ、ありがとう、千歳......♡
その日は、そんな話をして彼と別れた。
彼が、私とチャットを打っていて元気になればそれでいい、とその夜は切に願った。
ある日私は、彼の作った新しいワールドの文字入力可能な掲示板に、即興俳句を記入した。
ちなみに、その部屋はプライベート仕様である。
『照れちゃいます あなたのことを 想っていると♡』
彼は、その俳句を見た。
・っ、千歳。ありがとう♡
とても、喜んでくれたようであった。
私まで嬉しくなり、続けて私が高校生のときに、1つ20分ぐらいで考えて作った短歌を2つ打った。
『練習船 技術実習 ここにあり 集う若人 未来を担え』
『艦艇と 共に生きる者 船乗りよ 荒波に負けぬ その心意義』
彼は私の短歌をも、絶賛してくれた。
・いいねぇ。 千歳らしさがでているよ......♡
・はうぅ♡
私は嬉しさのあまり、バーチャルだが彼のアバターに抱きついた。
彼は、びっくりしたようだった。
・っ、誠二さん。愛しております♡
・っ、千歳! 愛してるよ♡
・あぁっ、あなた......♡
私は彼にとある提案をした。
・あの、バーチャルですがベッドに行きませんか♡
・っ、いいよ、千歳♡
私はその後、バーチャルのベッドで彼とイチャイチャした。
それは、とても幸せな時間だった。
あっという間に、部屋を退出する時間になった。
・っ、幸せな時間でした♡ ありがとうございました♡
・っ、こちらこそ♡ またイチャイチャしようね......♡
・承知致しました、あなた♡
私達は、いつもの<愛してるよ>を言い合って、その日は彼と別れた。
今日は、とても幸せな日であった。
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