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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


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133/210

第133話 熱は0

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

濡れが死んだ。だから次は乾かすふりで熱を当てる。熱で布を縮める。縮めれば形が浮く。浮けば物語が座る。燃える。

音も振動も影も濡れも死んだなら、残るのは触れずに変える手だ。熱はそれになる。


フィン 来るぞ。火種じゃなく温風。

ミナ 乾燥って言葉は正義の椅子になる。

ゼフ 当てられたら痕が残る。

レイナ 進捗、一つ。熱は0。


ミナが紙を一枚だけ置く。短い条件文。理由は書かない。

熱源・温風・乾燥具は0(凍結) 腰袋は内側遮熱 拭かない 説明無し 質問無し


フィン 遮熱って言葉、外に漏れないようにしろよ。

レイナ 内側だけ。

ゼフは腰袋の影で、薄い遮熱シートを一枚だけ防滴の裏に挟んだ。挟むだけ。縫わない。留めない。

外から見えない。外変化0。触感も変えない。変えると学ばれる。学ばれると燃える。


昼。いつも通り。

子供便は三つ。番号だけ。速歩き。終わり。

補修班返却も三つ。まとめ落とし。終わり。

腰袋は動かない。机に出ない。数だけが盾。


子供 いち!に!さん!

ミナ 三つ。番号だけ。

レイナ 速歩き。

子供 終わり!

フィン 乾かすふり、嫌なやつだな。

レイナ 嫌なほど燃えない。


午前の半ば。左肩が擦れた男が来た。今日は手に小さい筒。火は無い。温い風が出る道具。

乾燥だ、衛生だ、って言えば正義になれる顔。

そして腰の影に当てれば布が縮む。縮めば輪郭が出る。出た輪郭を外で語る。語れれば燃える。


左肩の男 濡れたままだと腐る。乾かしてやる。

フィン 乾かすって言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 0。

男 触ってねえ。風だ。風は触ってない。

レイナ 温風。0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男が一歩寄る。腰に近い距離。

ユハが一歩だけ位置を変える。寄れる角度が死ぬ。寄るほど邪魔者。止まるほど押される。

押されると筒の先が揺れる。揺れた先が腰に当たりそうになる。そこを0で切る。


ゼフ 近い。

レイナ 0。

男 近いだけだ!

レイナ 近いは0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は引くふりをして、すれ違いに温風を当てた。ほんの一瞬。

でも腰袋の外布は変わらない。遮熱が内側で止めた。熱が抜けない。縮まない。輪郭が出ない。

見せ場が成立しない。


フィン 縮んでない。

ミナ 変わってないね。

レイナ 正解。


男が顔色を変える。

左肩の男 今当てた!乾いたろ!確認しろ!触れ!

フィン 確認って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 熱は0。

男 0って何だ!危険だ!衛生だ!カビる!

レイナ 衛生は椅子。却下。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は次の手。温風がダメなら熱を溜める。薄いアルミ板を腰の影に差し込み、反射で熱を集める。

だが板は振動具で0、反射具も0。角度を作るには止まる。止まれば邪魔者。邪魔者は押される。

押されると差し込めない。


ゼフ 板。0。

レイナ 0。

ミナ 数だけ。


筒も板も流れの外へ押し出され、0箱へ寝る。壊さない。奪わない。寝るだけ。

男の材料が消えると座れない。


そこへ補修班返却が落ちる。三つ。まとめ落とし。止まらない。

男が声を張る。今だ、乾燥だ、点検だ、公開だ。

でも返却が止まらない。止まらないと観客が座れない。座れないと燃えない。


補修班の若いの ……終わり。

フィン 返却が速いと、熱も座れないな。

レイナ 座らせない。


角。いつもの沈み。3番の腕が少し沈む。重さ。

男はここに熱と危険を絡めたい。重い、乾かす、点検、停止。

でも止まらない。動作で終わらせる。


子供 ちょっと重い。

ミナ 止まらない。

レイナ 0。落として離れる。

子供 ゼロ!終わり。

3番は0箱へ滑り込む。返答札が溝へ滑る。無音。外返答は無言。


男 ほら危険だ!乾燥しろ!点検しろ!

フィン 点検って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


帳面役の息が紙束を足してくる。乾燥記録、衛生点検、温風使用許可、責任者名。

全部、椅子セット。全部、凍結送り。読む前に寝る。数だけ。詳細は書かない。

ミナ 凍結送り。

レイナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


昼の終わり。ゼフが腰袋の影で一度だけ触る。熱は無い。遮熱が仕事をしただけ。

交換しない。見せない。戻すだけ。

そして札を手の中で揃えて数える。机は使わない。視線が届かない角度。

ゼフ 穴札、12。

ミナ 12。

フィン 濡れの次は熱、でも同じで終わるな。

レイナ 同じが強い。


ほのぼのは、子供が「乾かす?」って言いかけて飲み込むところで出た。

子供 かわ、

ミナ 終わり。

子供 ……終わり。

フィン 言葉になる前に終わりで切るの、芸術だな。

レイナ 燃やさないだけ。


夕方。ブラントが市場から戻る。

ブラント 温風で穴の形を出す、が回りかけました。

レイナ 熱0。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 温風筒と板は?

ブラント 0箱で寝てます。痕が出てないので座れません。雑になります。

レイナ 雑は距離。


領主へ数字だけ。短く。

ブラント 穴札12維持。熱源2。凍結紙1。

領主 良い。温めるな。綺麗にするな。噂は嫌いだ。

レイナ 数字だけ。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

0箱を奥へ寄せる。筒も板も紙も寝たまま。開けない。戻さない。

遮熱シートは内側。外から見えない。完成感も出ない。

補修班の許可段+1も、穴札12も、燃えないまま続く。


俺は板に一行だけ残した。

熱源2を0で寝かせ、腰袋に遮熱1枚を挟んで縮み輪郭取りを腐らせて穴札12を守った。

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