表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

125/126

第125話 二重紐

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

返却棚の落ち方はいつも通り。補修班返却3、遅延なし、対象外なし。

腰袋は内側。机は空。空の机は座れない。座れない場所は燃えない。


フィン 昨日は腰に近いだけで0。今日は何で来る。

ミナ 近づけないなら、切る。

ゼフ ……来る。

レイナ 進捗、一つ。二重紐。

フィン 紐?

レイナ 腰袋が落ちない。外は変えない。

ミナ 紙一枚。理由なし。


ミナが紙を一枚だけ置く。短い条件文。理由は書かない。

腰袋は二重紐(内側) 切断具は0(凍結) 机出し無し 説明無し 質問無し


フィン 切断具って言い切り、雑で強い。

レイナ 雑にして燃やさない。

ゼフは腰袋の裏側に、細い紐をもう一本だけ通した。外から見えない位置。服の内側。

結び目は影に隠れる。外変化0。見えないなら完成感も出ない。

落ちないだけ。落ちないだけなら、見せ場にならない。


昼。いつも通り。

子供便は三つ。番号だけ。速歩き。終わり。

補修班返却も三つ。まとめ落とし。終わり。

腰袋は動かない。机に出ない。数だけが盾。


子供 いち!に!さん!

ミナ 三つ。番号だけ。

レイナ 速歩き。

子供 終わり!

フィン 妙に穏やかだな。

レイナ 穏やかは刃。


午前の半ば。刃が来た。

左肩が擦れた男が、今日は笑わない。笑うとバレる日だから。

目線が腰に刺さる。手は下。近づくふりだけして、距離を測ってる。


左肩の男 腰袋、邪魔だな。落としたら拾ってやる。

フィン 拾うって言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は一歩だけ寄る。

ユハが一歩だけ位置を変える。寄れる角度が死ぬ。寄れば邪魔者に見える。邪魔者は押される。

押されると手元が雑になる。雑になると失敗する。


ゼフ 近い。

レイナ 0。

男 触ってねえ!

レイナ 近いは0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男が引くふりをした瞬間、別の手が動いた。

荷台の影。薄い布に包まれた木片。刃物の柄だけが一瞬見える。

腰袋の紐を切る気だ。切れた瞬間、袋が落ちる。落ちた瞬間、拾う。拾った瞬間、外へ出る。

その一瞬を見せ場にしたい。


ユハが幅で止める前に、レイナが短く刺す。

レイナ 切るな。

フィン 言ったな。珍しい。

レイナ 一回だけ。


切る、という動作は椅子の脚になる。だからこちらは理由を言わない。

言ったのは命令じゃない。線引きの合図。動作の合図。

ユハの立ち位置が、刃物を振れる角度を殺す。振ればぶつかる。ぶつかれば損。損なら振らない。


それでも男は雑に来た。

腰の影へ手を滑らせ、紐に刃を当てる。ほんの一筋。

ゼフの腰が一瞬だけ引かれた。

袋は落ちない。二重紐が内側で支えた。見せ場が成立しない。成立しないと燃えない。


フィン 落ちない。

ミナ 落ちないね。

レイナ 正解。


男が顔色を変える。

左肩の男 おい、今引っかかっただろ!危険だ!停止しろ!確認しろ!

フィン 確認って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は“危険”を拾って座りたい。

腰袋が引かれた、事故だ、管理が甘い、公開点検だ。

でも見せ場がない。袋が落ちてない。札も落ちてない。机も空。

座る材料がない。


ゼフが腰の影で、刃の当たった紐の端だけを指で押さえた。外に見せない。結び目も見せない。

そして一歩、距離を取る。距離が取れた瞬間、男の手が届かない。届かなければ燃えない。


ゼフ 切り。

レイナ 0。

フィン 道具だな。

ミナ 数だけ。

レイナ 説明しない。


男が刃物を見せようとする。見せれば正義が座れる。

だが見せる場所がない。ユハの幅が止まりを殺している。

刃物を出すほど邪魔者になる。邪魔者は押される。押されると隠す。隠したら材料にならない。


男 お前らが勝手に刃物扱いしてるだけだ!

レイナ 切断具。0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


その間に、補修班の若いのが返却で来た。三つまとめ落とし。止まらない。

男が叫ぶ。止めたい。止めて見せたい。

でも若いのは止まらない。止まると面倒だからだ。


補修班の若いの ……終わり。

フィン 強いな。

レイナ 強いほど燃えない。


そして角。いつもの沈み。3番の腕が少し沈む。重さ。

男がそこへ刃物を絡めたい。危険だ、停止だ、承認だ。

でも止まらない。動作で終わらせる。


子供 ちょっと重い。

ミナ 止まらない。

レイナ 0。落として離れる。

子供 ゼロ!終わり。

3番は0箱へ滑り込む。返答札が溝へ滑る。無音。外返答は無言。


男 ほら危険だ!今日は停止だ!全停止だ!

フィン 全停止って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男が紙束を出す。刃物検査、持ち物検査、腰袋の確認、立会い。

全部、椅子セット。

紙は凍結送り。読む前に寝る。数だけ残す。詳細は書かない。真似を誘発しない。


ミナ 凍結送り。

レイナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


昼の終わり。ゼフが腰袋を内側で一瞬だけ押さえる。二重紐の結び目を締め直す。机は使わない。見せない。

札は手の中で数える。戻す。

ゼフ 穴札、12。

ミナ 12。

フィン 切られても12、変わらないの強いな。

レイナ 数だけ。


ほのぼのは、外の子供が腰袋を見て紐を差し出しかけるところで出た。

外の子供 ひも、いる?

ミナ いらない。終わり。

外の子供 ……終わり。

フィン 優しさで燃えそうになる場面を、終わりで切るのズルい。

レイナ 終わりが早い方がいい。


夕方。ブラントが市場から戻る。

ブラント 腰袋を切った、って形で回そうとしてます。

レイナ 切断具0。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 材料は?

ブラント 袋が落ちてないので座れません。刃物も見せられてません。雑になります。

レイナ 雑は距離。


領主へ数字だけ。短く。

ブラント 穴札12維持。切り未遂1。凍結紙1。

領主 良い。触らせるな。数で守れ。噂は嫌いだ。

レイナ 数字だけ。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

ゼフが0箱を奥へ寄せる。紙束も道具も寝たまま。開けない。戻さない。

二重紐は内側に残る。外に見えない。完成感も出ない。

許可段+1も、穴札12も、燃えないまま続く。


俺は板に一行だけ残した。

腰袋を二重紐にして切断未遂1を0で寝かせ、穴札12を落とさず机出し0のまま守った。

最後までお付き合いいただき感謝します。

もし「続きが読みたい」と思われた方は、ページ下部よりブックマークと評価をお願いします。

なろう読者の皆さまの「いいね」こそが一番の執筆燃料です。

↓↓↓ 応援、ここでお待ちしています ↓↓↓

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ