表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/126

第124話 腰の距離

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

返却棚に落ちていた箱を数える。札穴、番号、向き。補修班返却3。止まりなし。

ゼフは腰袋を内側の位置に固定したまま、視線だけで返却の流れを追う。机は空。空の机は座れない。


フィン 今日は腰を狙うな。

ミナ 数が崩れた瞬間を作りたい。

ゼフ 机に無いから、体を揺らす。

レイナ 進捗、一つ。腰の距離。

フィン 距離?

レイナ 腰に近いは0。


ミナが紙を一枚だけ置く。短い条件文。理由は書かない。

腰袋への接近は0(凍結) 札は腰袋から出さない 不足は当日停止札 説明無し 質問無し


ゼフ 了解。

ミナ 同文。

ユハは入口側で幅を殺した。止まれる距離が消える。覗ける角度が消える。

腰に近づくには止まる。止まれないなら手は届かない。


昼。いつも通り。子供便は三つ。番号だけ。速歩き。終わり。

補修班返却も三つ。まとめ落とし。終わり。

腰袋は動かない。机に出ない。数だけが盾になる。


子供 いち!に!さん!

ミナ 三つ。番号だけ。

レイナ 速歩き。

子供 終わり!

フィン 静かすぎて逆に怖い。

レイナ 静かな日は、触る。


午前の半ば。左肩が擦れた男が来た。今日は手ぶら。手ぶらは、手が汚い日だ。

男は笑いながら、ゼフの腰を一度だけ見た。視線が短いのが一番嫌だ。


左肩の男 札、落ちてたぞ。数が崩れた。確認しろ。

フィン 確認って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男 じゃあ腰袋を開けろ。今ここで数えろ。

ゼフ しない。

男 怖いのか?

フィン 怖いって言葉は椅子。ここ椅子ない。終わり。


男の後ろから、荷台が押されてきた。補修材の木片じゃない。中身のない箱の山。軽いのに嵩がある。

嵩があると視界が切れる。視界が切れればぶつけられる。ぶつけられれば腰袋が揺れる。

狙いはそこ。揺れで札を落として、拾って見せる。


ユハが一歩だけ位置を変えた。荷台が通る角度が死ぬ。通すなら遠回り。遠回りなら速度が落ちる。速度が落ちるとぶつける勢いが消える。

勢いが消えると、狙いが腐る。


荷台の男 通れねえ。

ユハ ……

フィン 通路塞ぐな。終わり。

レイナ 邪魔。0。


荷台は流れの外へ押し出される。ぶつける場が消えた。

左肩の男が舌打ちする。次はもっと雑。人をぶつける。外の子供が走り込む線が作られる。昨日も見た匂い。


外の子供が一歩踏み出した瞬間、ミナが空箱導線を指で示した。叱らない。吸う。

損で走る子は、得で走る箱に吸われる。

外の子供 空、運ぶ?

ミナ 運ぶ。番号だけ。

外の子供 ……終わり。

フィン また吸われた。

レイナ 終わり。


左肩の男は焦って、自分の手でやる。ゼフに近づく。腰に触る距離。

ユハの幅が死ぬ。近づくほど邪魔者に見える角度。邪魔者は押される。押されると手が届かない。

届かないから、男は別の方法に切り替えた。腰袋そのものじゃない。腰袋の紐に触る。ほどければ勝ちだと思ってる顔。


ゼフ 近い。

レイナ 0。

ミナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


男 近いじゃねえ!触ってない!

レイナ 近いは0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は言葉で勝てない。なら痕で勝つ。

赤い点でもない。黒い粉でもない。今日は透明。指に付く粘い汁。腰袋に触れた瞬間、ゼフの手に移る。

手に移れば、札を数えるのを嫌がる。嫌がれば口が生える。口が生えれば燃える。

狙いはそこ。


でもゼフは数えない。今は数えない。腰袋は出さない。机にも置かない。

数を見せない。見せないなら、汁は材料にならない。


ゼフ 触るな。

男 触ってねえ!

レイナ 触ったら0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男が苛立って、腰袋の下へ紙を差し込む。拾った札が入ってる、と書いた紙。

制度の入口を作りたい。紙が生えれば署名が生える。署名が生えれば椅子が立つ。

紙は箱。凍結送り。読まない。


ミナ 凍結送り。

レイナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


その瞬間、角で3番の子の腕が少し沈んだ。重さ。

男が顔を上げる。そこに絡めたい。危険だ、停止だ、承認だ。

でも止まらない。動作で終わらせる。


子供 ちょっと重い。

ミナ 止まらない。

レイナ 0。落として離れる。

子供 ゼロ!終わり。

3番は0箱へ滑り込む。返答札が溝へ滑る。無音。外返答は無言。


男 ほら危険だ!止めろ!

フィン 止めろって言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男の狙いは止めることじゃない。止めた理由を言わせること。

言わせない。止めるなら止める。止めないなら止めない。説明は無い。

今日は止めない。腰の距離だけで終わらせる。止めた瞬間に座れる観客を作らせない。


昼の終わり。ゼフが腰袋の口を内側で一瞬だけ開ける。机じゃない。視線が届かない角度。

札を手の中で揃える。数える。戻す。

見せない。並べない。

ゼフ 穴札、12。

ミナ 12。

フィン 結局、これが勝つな。

レイナ 数だけ。


左肩の男が最後の手で叫ぶ。

男 今数えたな!証拠だ!公開しろ!

フィン 公開って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


帳面役の息が紙束を足してくる。保管責任者、数え方、立会い、紛失時の手続き。

全部、椅子セット。全部凍結送り。数だけ残す。詳細は書かない。真似を誘発しない。


ミナ 凍結送り。

レイナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


ほのぼのは、補修班の若いのが返却を落として、腰に手を当てて笑うところで出た。真似じゃない。癖だ。

若いの 止まると面倒なんで。

フィン その一言だけで今日も勝つのやめろ。

レイナ 勝ってない。燃えてないだけ。


夕方。ブラントが市場から戻る。

ブラント 腰袋を開けろ、って言葉が回りかけました。

レイナ 無言。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 外の子供の件は?

ブラント 空箱便に吸われて終わりです。材料が残ってません。

レイナ 終わり。


領主へ数字だけ。短く。

ブラント 穴札12維持。腰接近2。凍結紙2。

領主 良い。近づかせるな。数で守れ。噂は嫌いだ。

レイナ 数字だけ。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

ゼフが0箱を奥へ寄せる。紙束も寝たまま。開けない。戻さない。

腰袋の穴札は内側に残る。机に出ない。外に出ない。

補修班の許可段+1は、燃えないまま固定され続ける。


俺は板に一行だけ残した。

腰袋接近2を0で弾き、穴札12を机出し0で維持して外の崩し手を座らせなかった。

最後までお付き合いいただき感謝します。

もし「続きが読みたい」と思われた方は、ページ下部よりブックマークと評価をお願いします。

なろう読者の皆さまの「いいね」こそが一番の執筆燃料です。

↓↓↓ 応援、ここでお待ちしています ↓↓↓


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ