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拝啓、遥か過去の自分へ  作者: 尚文産商堂


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第46話

「……あと30秒です」

カチカチと針の音が響く中、彼が時計を見ながら教えてくれる。

「10秒前からカウントダウンをしてください。あとは計画通りに」

魂はまだここにいるが、体を欲しているのがわかる。

今入っている仮の肉体ではなく、ちゃんとした魂の入れ物としての身体を。

「あと10秒です」

それからすぐに彼が教えてくれた。

そう、この未来の世界から俺は離れていく。

「きゅう」

わかっている、本当に戻れるのかすら怪しい。

「はち」

ただただそれでも元の世界が欲しい。

「なな」

ここを離れるのは少し寂しい。

「ろく」

それでも戻らないと。

「ご」

元の世界が、俺を呼んでいる。

「よん」

カウントダウンももう終わる。

「さん」

したいこともあるわけだが、

「にい」

それよりも過去へと、

「いち」

さあ、戻ろう。

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