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拝啓、遥か過去の自分へ  作者: 尚文産商堂


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第30話

「それで、何を聞きたいのですか」

「いや、聞きたいのもたくさんあるのだがね、時間も少ししかないだろう」

えっと、これか。と彼が上着の内側ポケットから一つの端末を俺に渡してきた。

「見覚えはないだろうか」

受け取るが、それはどこからどうみてもスマホだ。

すべすべの筐体、表面にある全面タッチディスプレイ、それにケーブルを差し込むためのUSB端子。

電源と音量のボタンもそれぞれの端に、物理ボタンとして配置されている。

「ええ、よく知っています。スマートフォンですよね」

お返しします、と言って手渡そうとするが、なぜか彼は固辞した。

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