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【アニメ放送中!】世界最強の魔女、始めました 〜私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます〜(Web版)  作者: 坂木持丸
最終章 インターネットを使ってみた

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152/164

150話 対策を話し合ってみた




 ――――“サ終”。



 それは、この世界の終わりのことである。



 そんなサ終の告知を受け取ったあと。

 ローナは、同居神ズ(邪神テーラ&闇の女神ロムルー)とともに、光の女神ラフィエールのお告げ空間へとやって来ていた。


 そして、現在……全員の視線の先にあるのは、配信サイトの画面。

 そこに映っているのは――。



『――サ終は決定しちゃいましたが、世界の終わりまでイベントはたっぷり☆ で・す・の・で! ぜひぜひ、みなさん残された時間をエンジョイしてくださいね~♪』



 世界の終わりを愉悦(たの)しそうに告げるラフィエールの姿だった。


「まさか、ラフィエールさんが裏切るだなんて……」


「くっ……前から、いつか裏切りそうな顔しとると思っておったのじゃっ!」


『A.汚いな さすが光の女神 きたない』


「んんっ! んんん~~ッ!!」(猿ぐつわ)


 わりと人望のないラフィエールであった。

 そして、猿ぐつわ+簀巻き状態のため、ラフィエールは弁明することもできず――。



『――それで、来週からはさっそくぅ~? はい……どん♪ えぇ~、というわけで、世界各地でモンスターが大量発生しちゃいます♪ ぱちぱちぱち~♪ いいですねぇ、こういうの……わたくし、わくわくすっぞ☆』



「こやつ、サイコパスかよ……」


『Q.人の心とかないんか?』


「ラフィエールさん、コメント欄で炎上してますね……」


「んんんんんん~~~ッ!!」(ふるふるふる!)


 ラフィエールへの風評被害がとどまるところを知らなかった。

 まあ、それはさておき。


「――で、じゃ」


 床でびたんびたん跳ねているラフィエールをスルーして、テーラが口を開く。


「そもそも、『さしゅー』とはなんじゃ? うまいのか?」

『【悲報】余のデータにも ない件www』


「え、お2人とも知らないんですか? 神様なのに……?」


『A.全然わからない』

「われらは雰囲気で神をやっておる」


「なるほど。とりあえず、サ終っていうのは“サービス終了”の略みたいでして――」



 ――手加減(サービス)の時間は終了だ。ここからは本気で世界を終わらせる。



「……という、“運営”を名乗る悪の組織からの宣戦布告だそうです」(※ローナ調べ)


「そやつら邪神かよ……」


『A.おのれ 運営め……』


「じゃが、まあ……ゆーても、ただ世界が危機るだけじゃろ? われはなんかもう、そうゆーの慣れちゃったのじゃ」


「いえ、今回の危機り方は、これまでとは“レベち”みたいでして……」


「れべち?」


『Q.運営は そんなに強い?』


「……はい。普段から『“にんて○どー”の倒し方を知ってる』と自信満々に言ってるほどだとか」


「よ、よくわからんが、それはやばそうじゃの」


「それで“運営”は、『サ終日まで世界中でモンスターを大量発生させる』『サ終日に隕石を降らせて世界を終わらせる』と犯行予告をしてまして」


『A.殺意高すぎ 高杉くん』


「い、いや、もう少しこう……なんとゆうか、手心とゆうか……のぅ?」


「まあ、手加減(サービス)終了なので」


 とはいえ……モンスターの大量発生については、頑張れば対処はできるだろう。


 たとえば、港町アクアスでの“水曜日クエスト”のときのように、トラップタワーやウォールローナを駆使すれば、それだけでも対処の難易度は下がるわけで――。


「ただ、問題は……」


『A.隕石』「……隕石、じゃな」


 そう、隕石だ。

 さすがに、宇宙から飛来してくる隕石は、どうしようもない。


『Q.隕石を壊すことは 可能?』


「うーん。一応、できなくはない……みたいですが」


 ローナが手元の攻略サイトを見ながら、歯切れ悪く答える。


 倒せるかどうか、と言えば――答えはイエス。


 この世界では、生物だけでなく、あらゆる物に耐久値(HP)があり……。

 そして、隕石にもまたHPが設定されていた。

 おそらくは、最後の一瞬まで世界の終わりに抗えるように、という“運営”のはからいによって。


 ゆえに、隕石のHPをゼロにできれば……。

 ひとまず、世界の終わりを回避できるかもしれない。


「ならば、話は簡単じゃな――ほれ、おぬしが前に自慢してたやつあったじゃろ? 魔王ですらワンパンとかゆう……」


「現金弾(げんきんだま)ですか?」


「それじゃ、それ」


「うーん」


 と、ローナは微妙な表情で攻略サイトを見る。




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▍武器/銃/【回転式金銃デット・オア・ア

ライブ】

 

 ▍ランク:SSS ▍種別:銃

 ▍効果

  全ステータス-77%


▍装備スキル:【現金弾(げんきんだま)】

 ▍効果:消費金額の1%の威力の弾を生成

     する。


▍概要

 カジノの景品で手に入る武器。

 999兆シル(所持金上限)注ぎこめば、

 10兆ダメージを叩き出せるバカみたいな

 銃。

 いろいろとバグっているが……もはや修正

 されることはないだろう。

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 SSSランク装備――回転式金銃デット・オア・アライブ。


 その装備スキル【現金弾(げんきんだま)】の効果は――『消費金額の1%の威力の弾を生成する』。

 それは、HP100億の“魔王”ですら1兆シルあれば倒せるという、ぶっ壊れスキルだ。


 ……しかし。


「でも、内部解析? っていうのをした神様たちが、隕石のHPを調べたみたいなんですが……その、隕石のHPは、すごく高いみたいでして……」


 と、ローナは少し言いよどむ。


「む? なんじゃ、そんなHPが高いのか? ま、もしHPが1兆とかあっても、われはもちろん抵抗するのじゃ――肘で!」


『A.余もwww』


「んんんッ!」(こくこくこくっ!)


「みなさん……」


 そう、ここに隕石を恐れる者はいなかった。


 いや、ここにいる神々だけではない。

 ローナが旅の中で出会ってきた、人間、エルフ、水竜族、ドワーフ、魔族、アンドロイド……そのみんなも、きっとローナの助けとなってくれるだろう。


(そっか……そうだよね……みんなとの絆の力があれば、きっと隕石にだって勝てるよねっ!)


 と、ローナは思わず、じーんと胸を熱くする。


「で、じゃ。結局、隕石のHPはどんぐらいなんじゃ?」


「あ、そうでしたね。えっと、隕石のHPは――」


 そして、ローナは告げた。




「――――922京3372兆368億5477万5807、です」




「「「………………」」」


 ……ちょっと絆の力でも無理そうなやつだった。

 HPが922京ということは、つまり魔王の9億倍のHPということであり……。


「よーし! それじゃあ、みんなとの絆の力で隕石を倒しましょうっ!」


「……ちょっと待つのじゃ」


「はい」


 テーラからストップがかかった。


「いや……の? 922京は、その……現実的に……無理じゃろ」


「でも、絆の力がありますし」


「おぬし、絆の力に親でも救われたの?」


「いえ、絆の力で親を牢屋に入れました」


「あ、うん……」


 なにはともあれ。


「とりま、現金弾(げんきんだま)とかゆうスキルで隕石を倒すには、どんだけ金がいるんじゃ?」


『A.9垓シル以上www』


「……なら、普通に戦ったら?」


「えっと、原初の水クリスタル・イヴのHPが11億なんですが、私がそれを倒すのに10分ぐらいかかったので……」


『【悲報】倒すのに 15万年以上 かかる件www』


「……隕石が地表に到達するまでの時間は、どんぐらいじゃ?」


「たぶん数分ぐらいですね」


「ふむ、なるほどの」


 ………………。



「――うむ! もう終わりじゃな、この世界!」



 というわけで、この世界が、今――終わろうとしていた。

 ちなみに、あきらめムードになっているのは、ここにいる神々だけでなく……。



 :922京ってなんだよ……

 :システム上の最大値

 :なら、回復でオーバーフローすんじゃね?

 :前にそれでやらかしたから対策されてる

 :てか、マジで隕石エンドやる気か……? 伝説になるぞ、悪い意味で

 :新生しないF○14

 :もしかして、このゲーム……クソゲーなのでは?



 ……などなど。

 頼みの綱であった攻略サイトの神々も、もはや愚痴しか言えないようなありさまだった。


 そう……最初から、勝ち目なんて用意されていないのだ。

 なぜなら“運営”は、この世界を確実に終わらせにきているのだから。


 ちなみに、このような理不尽な負け戦を、神々の言葉でこう呼ぶらしい――。



 …………負けイベント、と。



 隕石が衝突し、世界は炎に包まれて――この世界は終わる。

 それが、この世界に与えられた正しい運命(シナリオ)。


 しかし、そんなあきらめムードの中にあっても。


「でも、隕石にHPがあるということは――攻(・)略(・)で(・)き(・)る(・)ってことです!」


 ローナだけは希望を失ってはいなかった。


 いつも意味不明なことばかりしでかして、なんだかんだで世界の危機を破壊してきたローナだ。

 そんなローナの言葉には、不思議と『また、なにかやっちゃってくれそう』という安心感があり――。


「……ふっ」


 と、テーラたちは思わず顔を見合わせ、呆れまじりに微笑む。


「ま……たしかに、まだあきらめる時間じゃなかったかの」


『【朗報】まだ試合終了じゃない件www』


「んっ!」(こくこく)


「はい! みんなの手で隕石を攻略しましょう!」


 こうして、ローナたちは隕石に立ち向かうことに決め――。


「で、じゃ……ずいぶん自信がありそうじゃが、なんか攻略の糸口でも見つかったのかの?」


「いえ、それはまだですが……でも、大丈夫です! だって……」


 と、ローナは自信たっぷりに断言する。



「――たぶん、そのうち攻略サイトに攻略法が載ると思うので!」



「「「………………」」」


 めちゃくちゃ他力本願だった。


「いや、まあ……それは、そうかもしれんが……なんか……えぇぇ……」


 すごく微妙な気持ちになるテーラたちであった。

 とはいえ、今のところ隕石とまともに戦えそうなのは、ローナ以外にいないわけで。


「まあ、いろいろ不安じゃが……とりま、隕石の攻略についてはローナに任せるのじゃ」


「はい!」


 というわけで、隕石担当はローナで決まった。


「んじゃ、隕石はいったん置いといて……他の対策も考えんとな。モンスターの大量発生(スタピ)対策じゃとか、避難所の用意じゃとか」


『Q.ちなみに サ終までの猶予は?』


「2か月です」


 ………………。


「……うん。なんか思っとったより、まあまあ時間あるの」


「まあ、世界を終わらせるには、いろいろ法的な手続きも必要みたいでして。役所への事前相談とか届出とか」


「なんで、ちょっとコンプラ遵守しとるんじゃよ……」


 よくわからないが、世界を終わらせるのも大変らしかった。


「ともかく、早く課題を終わらせて、気持ちよく残りの期間を過ごしましょう!」


「なんか夏休みの宿題みたいじゃな」


『A.明日から本気出す』


 とまあ、最後は少しぐだぐだになってしまったが。

 こうして、世界の命運を賭けたローナたちのサ終対策が始ま――。



「――んんんんんんん~~っ!!」(びたんびたん!)



「あ、ラフィのこと忘れとった……」


「ラフィエールさん、縄を解いても噛まないでくださいね……?」


「噛みませんよっ!?」


 ――なにはともあれ。

 誤解をといたラフィエールも加わり。

 今度こそ、ローナたちのサ終対策が始まったのだった――。



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― 新着の感想 ―
・・・ほんとは、『サ終』を『撃破』する方法は幾つかあるのですけど・・・『その方法』を作者さんが『採用』するか否か、ですねぇ。 現状で確実にローナが出来るのは、『こらぼ』経由での『メタルノア』への移住…
感想欄で隕石攻略のネタバレを食らった気がします でもねー、ローナは読者が理解可能な形でそれを実現できるでしょうか、期待
まぁ最悪エリミナさんが何とかするよ、きっと……。
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