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【アニメ放送中!】世界最強の魔女、始めました 〜私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます〜(Web版)  作者: 坂木持丸
第14章 夢の世界に行ってみた

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141話 エリミナグッズを作ってみた①

◇メルチェ・ドールランド

ドールランド商会の天才少女商会長。

アニメが好きで『魔法少女エリミナ』をローナと一緒に作っている。


◇コノハ

元スパイの商人。今はメルチェの下で働く。




▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰

○『魔法少女エリミナ 2ndシーズン』

○第1話 「エリミナは続くよどこまでも!」



『――エリミナちゃん、大変ぐごーっ☆』(役:溶岩魔人)


『どうしたの、グゴップル! まさか、またマモノンが出たの!?』(役:エリミナ)


『いや、違うぐご! マジカル☆税務署の職員ぐご!』


『マジカル☆税務署の職員!?』


『エリミナちゃん……ボクがあげた変身アイテム――“キラキラDX日輪ロッド”は、まだ持ってるぐごよね?』


『もちろんよ! 私とグゴップルの大切な絆の証だもの!』


『……実はあれ、原則として“マジカル☆贈与税”の課税対象になるらしいぐご……』


『えぇっ!?』


『あと、今まで手に入れたマジカルジュエルも、“マジカル☆一時所得”として申告が必要ぐご……つまり、エリミナちゃんは今、巨額の脱税容疑をかけられてるぐごっ!』


『そ、そんなっ!?』



『――開けろ! マジカル☆税務署だ!』(ドンドンドンッ!)



『……ひっ!? ど、どうしよう、グゴップル!?』


『こうなったら戦うしかないぐご……』


『職員と!?』


『勝負は今!! ここで決めるぐご!!』



『え、えぇ~いっ! ――きゃるる~ん♪ りゅんりゅん♪ エリエリりん♪ きらめけ、ミラクル☆ 爆ぜろ、マジカル☆ 愛と正義のエリート美少女戦士! 魔法少女エリミナ――爆☆誕っ!』



⇐To Be Continued…



『――次回予告! マモノンとの最終決戦が終わって、ようやく私たちの“黄金日常(オウゴン)”が還ってきた、と思ってたんだけど……えぇ~っ、いきなり脱税容疑をかけられちゃった!? すぐ側まで迫りくるマジカル☆税務署の魔の手……でも、私たちの絆パワーで必ず倒してみせる!』



『――次回「地下強制労働編、開始」! ジュエルスタンバイ!』



▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰ ▰




「――はい、OKでーす。おつかれさまでーす」


 というわけで、壮大なる魔王編が終わったあと。

 ローナはひさしぶりに“あにめ”の撮影(?)に参加していた。


 以前、ローナたちが作った『魔法少女エリミナ』は、いったん物語が終了したものの、想定をはるかに超える大反響をまき起こし……。

 このたび、めでたく2期の制作が決定したのだ。


 そのため、本作のプロデューサーであるローナPも、ふたたび現場に戻ることになり――。


「エリミナさん、グゴップルさん、今のカットすごく激アツでした! マリリーンさんも幻術(さくが)の腕が上がりましたね!」


「……ローナPもおつかれ。くすくす」


「やー、ほんっと来てくれて助かったよ。あたしのデータによると、ローナPがいないと『まほエリ』メンバーは集めらんないからさ」


「あ、メルチェ&コノハちゃん! 私もまたみんなで“あにめ”を作れてうれしいです!」


 ローナは友達の商人メルチェ&コノハと、なごやかに会話をする。


 “あにめ”作りも慣れたもので、撮影は順調そのもの。

 とはいえ、なにも問題がないかというと、そうでもなく。


「……撮影は順調、となると……残る課題は、新作グッズね」


 と、少し難しそうな顔をするメルチェ。


「新作グッズ?」


「そりゃ、『まほエリ』2期が始まるからねー。エリミナグッズも一新しようって話になっててさ」


「わぁっ、いいですね! 私もエリミナさんの新作グッズ欲しいです!」


 ――人類の英雄エリミナ・マナフレイム。

 それは、この“あにめ”の主役にして、ローナの恩人である。

 そんなエリミナのグッズが出たら、もちろんローナも3個は買いたいところだが――。


「……ただ、正直……新作グッズのいい案がまだ出てないの……主役はエリミナで固定だから、新鮮さを出すのが難しくて……」


「あたしのデータによると、グッズ収入は“あにめ”の生命線だしねー。ここがコケるわけにはいかないし……」


「……それで、ローナの知恵を借りたいと思って――」


「はいはい!」


 そこで、ローナは元気よく手をあげた。


「そういうことなら、前からずっと欲しかった“おもちゃ”がありまして!」


「……それはインターネットに書いてあったもの?」


「はい! まあ、人生に必要なことは、みんなインターネットに書いてありますしね」


「間違いないね」


 ――インターネット。

 それは、神々の書架にして(※以下略)。


 とりあえず、メルチェ&コノハも、これまでの“ぱーてぃー”や“あにめ”作りなどを通して、インターネットには絶大な信頼を寄せていた。


「……それで、どういうおもちゃなの?」


「ふふんっ! やっぱり、“あにめ”関連のおもちゃといえば――これですっ!」


 と、ローナは自信満々に、インターネット画面をメルチェ&コノハに見せる。


「こ、これは……?」


「“あにめ”みたいな版権モノの最高到達点……少し前まで“あにめ”関連のメインの収益源とまで言われていたおもちゃです」


「……っ! そんなものがあるのね」


「はい」


 ローナはこくりと頷き――。

 そして、決意を込めたまっすぐな瞳で、メルチェたちに告げた。





「――私たちの手で“ぱちすろ”を作りましょう!」





 ……却下された。


「はいはい!」


 ローナはふたたび挙手をした。


「えっと、まだ案が?」


「はい! 次はこれです!」


 と、ローナが次に見せたのは――。


「ん、人形? にしては、すごい精巧だけど」



「これは、グッズ界の王様――“ふぃぎゅあ”です!」



 と、ローナは胸を張って言う。



 ――“ふぃぎゅあ”。



 それは、“あくすた”、“ぬい”、“缶バッジ”と並ぶ、グッズ四天王の一角である(※ローナ調べ)。


 ただ、“あくすた”なんかも、すでにスライム素材を利用して再現が完了しており……あと作っていないのは、“ふぃぎゅあ”だけとなっていたのだ。


 というわけで、さっそく“ふぃぎゅあ”の画像を、メルチェたちに見せてみたところ――。



꙳✧˖°⌖꙳――これは、お迎えしたいわっ! 作りましょうっ!꙳✧˖°⌖꙳



 と、秒で食いつくキラキラ女児モードのメルチェ。

 しかし――。


「やーでも……これは作るの難しそうじゃない? そもそも、この“ふぃぎゅあ”の材質ってなんなの?」


「ぽり塩化びにるです」


「「…………」」


 ちょっと無理そうなやつだった。

 それに“ふぃぎゅあ”作りには、他にも技術や素材がいろいろ必要そうであり――。


「んー、“あにめ”は魔法でなんとか再現できたけど……こういう『物』はゴリ押しが効かないからねー」


「そ、そうですね……」


 そういうわけで、結局……この日の話し合いは、『この世界の技術だと“ふぃぎゅあ”の再現は無理』という結論でお開きとなったが。

 しかし、その帰り道――。


(……ん? 『この世界の技術』だと難しい? あっ、そうだ!)


 ローナはふと、ひらめいた。

 この世界の技術だと難しいなら――この世界“以外”の技術ならいいのでは、と。



      ◇



 というわけで、さっそくその翌日――。

 ドールランド商館の会議室にて。


「――本日は、異世界から技術アドバイザーをお呼びしました!」


 ローナはひとりの少女を、メルチェ&コノハに紹介していた。

 その少女とは、もちろん――。



【――異世界から娯楽留学に来てるピコなのデス✜ よろしくしてやってもいいのデス、人間✜】



 そう、最近知り合った少女型アンドロイドのピコだ。


 蛍光色に光るゲーミング仕様の近未来服。

 動くたびにピコピコと鳴る電子音。尻尾のように揺れるコンセントプラグ。

 そんな少女の側には、ふよんふよん……とマスコットっぽいドローンが浮かんでおり……。


「あのさ、ローナ?」


「はい」


「なんか……世界観、違くない?」


 コノハのこの一言が、全てを言い表していた。


「まあ、ピコちゃんは異世界から来てますしね」


「い、異世界? そーいや、ローナが前に『異世界旅行』がどうとか言ってたけど……」


「……じゃあ、この子は、本物の異世界人ってこと?」


【ぴぴぴ⚠ 〈誤字検出〉:『人』→『機械』なのデス✜】


「き、機械? この子が?」


「はい! ピコちゃんの世界は、すっごく科学が進んでまして!」


「……へぇ、それは興味深いわね」


「それで、機械たちが人間たちを、完璧で幸福に管理してるんですよ!」


「いきなり雲行きが怪しくなってきた」


【ただ、ピコたちの世界は、ちょっと前まで娯楽がなかったのデス✜ なので、技術提供の対価として、ピコたちの世界でも『魔法少女エリミナ』とやらを配信したいのデス✜】


「……わかったわ。さっそく契約しましょう」


「判断が早い」


 そんなこんなで、エリミナがついに異世界へと羽ばたくことが決定したところで。

 さっそく本題に入ることにした。


「んで……今回作ろうってのは“ふぃぎゅあ”だっけ? 昨日、画像は見たけど……異世界から材料調達できても、人間の職人技が必要そうだよね」


「……それに、そんなにすぐに作れるものなの?」


「まあ、“ふぃぎゅあ”作りは、神様たちも1~2年はかかるそうですね」


「……神々でも年単位なのね」


 そう、インターネットによると“ふぃぎゅあ”を作るには……。


 まず、粘土やパテで形を出し、紙やすりでひたすら表面をなめらかにして、下地(サフ)を吹いては細かい傷を徹底的にチェックして削り……のループを延々とやって原型を作り――。


 厳しい原型チェックをパスしたら、それぞれのパーツごとに高価な金型を削り出し、そこに熱で溶かした樹脂(PVC)を流して固めて、塗料を食いつきやすくするために下地処理をし、エアブラシで立体感が出るようにグラデーションをかけながら塗装して、最後に目などの細部を精密(タンポ)印刷し、全パーツ組み立ててツヤ消しや光沢スプレーで質感を整え……。


 ……といった長い長い工程が必要であり――。



「――こうして、できあがった“ふぃぎゅあ”がこちらになります」



「できあがってる!?」


「ピコちゃんが一晩で作ってくれました」


「じゃあ、今の時間なんだったの!?」


「えへへ、異世界技術があると、いろいろ手っ取り早くていいですね!」


「手っ取り早すぎるよ!?」


 ちなみに、ここまで早く作れたのは、『インターネット上になぜかエリミナの“3Dもでる”が無料公開されていたから』という事情もあったりするが……それはさておき。


 ローナはさっそくエリミナの“ふぃぎゅあ”の試作品を――手のひらサイズのものから等身大サイズのものまで並べていく。



꙳✧˖°⌖꙳――優勝っ! これは優勝よっ!꙳✧˖°⌖꙳



「えへへ、メルチェちゃんの内なる女児が荒ぶってますね」


「やーでも、実際すごいよ、これ……てか、これ一晩で作れるんなら、異世界(じぶんち)だけで娯楽作れるんじゃ……?」


【まあ、ピコはローナの指示文(プロンプト)通りに生成しただけなのデス✜ 機械はデータがないものを生み出すスペック=〈低〉なのデス✜】


「なるほど、データがないんじゃ仕方ないね……」


 とまあ、それはさておき。


「ちなみに……この“ふぃぎゅあ”は、ただの“ふぃぎゅあ”じゃないんですよ!」


「え?」


【ぴ✜ この“ふぃぎゅあ”には、AIがデフォルト搭載されてるのデス✜】


「えーあい?」


【まあ、つまり人工の頭脳なのデス✜ 物が自分で考えて動くようになるのデス✜】


「……なるほど。ゴーレムみたいなもの、ってことね」


「はい。たとえば、この“ふぃぎゅあ”のエリミナさんたちは、おしゃべりができまして――ヘイ、エリ! 返事をして!」



『『『――エリ!』』』



「「――シャベッタアアアアアッッ!?」」


 メルチェ&コノハの叫び声がハモる。

 やはり、この世界の人間にとって、しゃべるおもちゃというのは衝撃的だったらしい。


 だが、この“ふぃぎゅあ”の機能はそれだけではなく――。


「それと、この子たちは“可動ふぃぎゅあ”でして!」


「……可動? 球体関節人形みたいなもの?」


【いえ、自立駆動が可能な“ふぃぎゅあ”なのデス✜】



『――メイン回路接続――』『――全システム・オールグリーン――』

『――エリミナ、起動します――』



「こいつ……動くぞ!」


「……すごい。神々が熱中するわけね」


【ピコも動いてるだけで褒められたいのデス✜】


「さらに、それだけじゃありません! しゃべって動けるってことは、もちろん――歌って踊れる機能もあります!」



『『『――エリぴょい♪ エリぴょい♪』』』



꙳✧˖°⌖꙳――わぁっ! エリぴょいしてるっ!꙳✧˖°⌖꙳


「これは、いいエリぴょいだね!」


「さらにさらに! 子供向けのおもちゃといっても、買うのは大人なので……大人が買いたいって思うような機能もつけてみました!」


「なるほど、知育おもちゃみたいな――」


「そう、モツ煮を作って出してくれる機能です!」




『『『……おぼろろろろ、ぇぇぇ……っ』』』(※口からモツ煮を提供する音)




「いきなり絵面が最悪になった……」


「……な、なんでモツ煮?」


「競馬場に行くと、大人はみんな食べてるので」


「……そ、そう」


「でも、なんか思ってたのと違う感じになっちゃいましたが……」


【それは指示文(プロンプト)が悪いのデス✜ AIは『出せ』と言われたら、文字通り『出す』のデス✜】


「なるほど? まあ、とりあえず……ヘイ、エリ! もうエリぴょいに戻っていいですよ!」


【ぴっ!? おい、待っ――⚠】




『『『――エリぴょぶぼぃっ♪ エリぶぴょっごぼぼぼぼぇっ♪』』』




「わ、わぁっ、エリミナさんが苦しみだしたっ!?」


「モツ煮吐いてるときに、エリぴょいさせるから!」


【言わんこっちゃねぇのデス! ちゃんとモツ煮をストップさせる指示文(プロンプト)を作るのデス⚠】


「ストップ、ストップぅっ! ど、どうしよう、エリミナさんのモツ煮が止まらない……っ」




『『『…………シテ……コロ、シテ…………』』』




「ああっ、おもちゃたちが死に救いを求めちゃった……っ」


【い、いったん、学習記憶をリセットするのデスっ!】


 そんなこんなで。

 ローナたちはどたばたと、モツ煮機能の後始末に追われることになり――。



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― 新着の感想 ―
ちょうどモツ煮食べてるところで、「口からモツ煮」でモツ煮噴いてPCの画面に・・・
あー プロンプト入れすぎて作画崩壊するアレかこれ
思えば、この話もアニメ化する訳ですから、スロ化への道は開かれているんですよね……
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