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修学旅行 公園


 最後に山中(片山)の首に毒針を刺しその場は終わった。

 毒針をしまい、息を大きく吐く。そして感情を元に戻す。

 先程まではみんな苦しみから叫び声をあげていたが、もうそれも落ち着き静寂が訪れていた。

 陽夜の手足の拘束を外し、陽夜の前に手を差し出す。

「お嬢様、もう大丈夫で——」

 そこまで言ったところでパシッと乾いた音が響いた。

 陽夜に手を振り払われたのだと気がつくのに時間がかかってしまった。

 陽夜を見ると恐ろしいものを見るような怯えた目でどこか困惑も見られた。

「そうですよね」

 そう言い後ろを向く。

「蒼井さん、お嬢様をよろしくお願いしますね」

「はい」

 陽夜を抱えた蒼井さんを見送る。

 蒼井さんの目には疲れが見えたが陽夜を無事に送り届けるくらいは出来るだろう。


 それにしてもやってしまった。

 主人の前であそこまでの地獄絵図を見せるとは従者失格だ。

 いや、主人の前だからというわけではない。あれはまともな神経をしている人に見せてはいけないものだ。

 見せてしまったからこそ陽夜に手を振り払われてしまったのだろう。

 陽夜の反応を見ると自分がどれだけあのような状況に慣れてしまったのかがよく分かる。

 ——ごめんね、陽夜。

 そう心の中で言ってから振り返る。そこには何人もの男たちが横たわっている。その中から目的の男を見つけ近づいた。


 顔を確認すると予想通りの顔だった。

「あなたは二度もお嬢様を危険な目に合わせようとしたのですね。清水の舞台から落とそうとした時と今……」

 誰も反応出来るはずもなく沈黙が続いていた。

「昨日、私が清水の舞台から落ちそうになったのもあなたのせいですね。私の命が狙われるのは別に構いませんが、お嬢様が関わるとなると別です」

 この男をどう処理しようかと思っていると電話がなった。

「はい、四宮です」

『水谷です。そちらは終わりましたか?』

「はい」

『それでは引き上げてください。処理は別に頼んであります』

 直接命を狙った目の前の男だけは自分で事情を聴き出したかったが、そうもいかないらしい。

「かしこまりました。お嬢様は蒼井さんに頼みました」

『分かりました。あと五分程で着くと思われます。四宮さんもお疲れ様です』

「水谷さんもありがとうございました。失礼します」

 水谷さんの電話のタイミング的に蒼井さんの方から連絡をしたのだろう。

 これから来る人たちの邪魔にならないよう急いでその場を離れる。



 外に出ると辺りはまだ暗かった。夜の三時頃だろうか。場所を突き止め中に入ったのが二時前だったので一時間程経ってしまったようだ。それにしても今回は時間がかかってしまった。

 陽夜の身の安全も気になる。あの様子だとそもそも明日からは話しかけられないかもしれないが。

 近くにある公園で少し休んでから戻ろうと思い近くの公園へ向かう。入り口まで回るのが面倒だったので脇から入ったのは見逃して欲しい。

 いくつかの木々を抜けようとしたところで視界が揺らいだ。

 今回は水谷さんがおらず、蒼井さんと息が合わせにくかったからだろうか。

 近くの木に手を着くとそのまま体の力が抜け、座り込んでしまった。

 そして段々と意識が遠のいていった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回とのこともあり今回は短めでした。

後少しで修学旅行でのことも終わります。

また次回も読んでいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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