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『KillerWorld ―七つ目の答え―』  作者: ザクロ
イース編

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25/57

KillerWorld ―イース編―「一秒だけ、私に決めさせて」

ルイスを疑い始めたリナ。

青年は、その視線に気づいていた。

けれど隠れるのではなく、むしろ**「見つけられるなら、見つけてもらおう」**と考える。

青年はラドの顔を借り、リナの前へ現れる。

事故ではなかった。

ネミティブも使われた。

新しく入った男を見ろ。

そう言いながら、答えそのものは渡さない。

「自分で見ろ」

「一個ずつ確かめろ」

「決めるのはお前だ」

0にも、ネミティブにも使ったやり方。

ただし今回は、青年自身を見破るための材料を、青年自身が置いていく。

リナは違和感を拾い、確かめ、つなぎ合わせる。

そして旧倉庫。

ラドの姿で現れた青年へ、リナは二人しか知らない記憶を突きつける。

答えられない。

さらに一瞬だけ崩れた顔を、リナだけが見た。

それでもネミティブは言う。

「俺は見てない」

見て。

確かめて。

自分で決める。

青年がネミティブへ植え付けたそのルールが、今度はリナを孤立させていく。

そしてリナは、涙を流しながら言う。

「少しだけ、私に決めさせて」

青年が初めて、その言葉を怖いと思った瞬間だった。

# 第十三章 見つける側


リナが。


自分を見る回数が。


増えた。



最初に気づいたのは。


視線そのものではない。



青年が。


椅子へ座った時だった。



片足を。


少しだけ引く。


腰を落とす。


考えながら。


無意識に。


目を細める。



その瞬間。



少し離れた机。


布を畳んでいた。


リナの手が。


止まった。



ほんの。


一瞬。



布の端が。


指の間で。


宙に残る。



青年は。


気づかないふりをした。



(見てる)


「うん」


(嫌?)


「別に」


(嬉しい?)


青年の指が。


膝の上で。


止まる。


「何で」


(だって君)


一拍。


(見つけてほしい時あるでしょ)


青年の口元が。


少し。


固くなる。


「ないよ」


(嘘)


青年は。


鼻で。


小さく息を吐いた。


「最近」


一拍。


「本当にそれしか言わないね」



リナは。


すぐ。


視線を逸らした。



布。


畳む。


一枚。


次。



何事もなかったように。



でも。



その日から。



青年は。


逆に。


リナを見るようになった。



真正面からではない。



誰かと話している時。



水を汲んでいる時。



ネミティブが近づいた時。



「ルイス」



その名前を。


誰かが呼んだ時。



リナの肩。


指。


呼吸。



ほんの少し。



硬くなる。



青年には。


それで。


十分だった。



疑っている。



まだ。



答えは。


持っていない。



でも。



探している。



(どうする?)


「何もしない」


(珍しい)


青年は。


少し笑う。


「だって」


一拍。


「見つけられるなら」


リナを見る。


「見つけてもらおうかなって」


(遊ぶんだ)


「観察」


(便利な言葉)


「もう聞いた」



* * *



数日後。



夜。



街灯の届かない。


細い路地。



壁。


雨を吸った石。


隙間から。


冷たい湿気。



遠く。


犬。


一度。


吠える。



リナが。


一人で歩いてくる。



その先。



人影。



足が。


止まる。



「……ラド兄?」



青年は。


ラドの顔で。


そこに立っていた。



喉が詰まる音まで。


聞こえた。



青年は。


一歩も。


近づかない。



「来るな」



声。



顔。



肩。



立ち方。



全部。



ラド。



ただし。



中身だけが。



違う。



(ひどい)


青年の口元。


動かさない。


「今さら?」



頭の中だけで返す。



リナは。


動けない。



目。


顔。


肩。


足。



上から下まで。



確認している。



「何で」


「説明してる時間ない」


「死んだよね」


青年の喉。


少し。


詰まる。



「ああ」


「じゃあ何で」



青年は。


答えない。



答えれば。



嘘が増える。



今は。



増やす必要がない。



「ネミティブだけ責めんな」



リナの顔が。


硬くなる。



「あいつが撃った」


「撃った」


「なら」


青年は。


一拍。


置く。



「あれは事故じゃない」



リナが。


止まった。



青年も。



内側で。



止まる。



事故じゃない。



それを。



一番。



知っている。



「何」


「事故みたいに作られた」


リナの呼吸が。


浅くなる。


「誰に」


「分からない」


(知ってる)


青年の奥。


すぐ。


声。



「黙って」



リナの目が。


細くなる。



「嘘」



青年の肩が。


ほんの僅か。


動いた。



「そう思うなら」


一拍。


「それでいい」



その言い方。



リナの表情が。



変わった。



僅か。



本当に。



僅か。



違和感。



青年には。


分かる。



ラドなら。



こんな言い方。



するか。



引っかかった。



なら。



もう一つ。



「ネミティブも使われた」



リナ。


動かない。



青年は。



続ける。



「今」


一拍。



「新しく入った奴いるだろ」



リナの胸。


僅かに。


上がる。



ルイス。



名前が。



浮かんだ。



青年には。



分かる。



「そいつを見ろ」


「何で」



青年は。



笑わない。



「俺の話を信じろとは言わない」



一拍。



「自分で見ろ」



リナは。



黙る。



「一個ずつ」


もう一拍。



「確かめろ」



青年の声。



低い。



「決めるのは」


一拍。



「お前だ」



言ってから。



胸の奥。



嫌なもの。



同じ。



0にも。



ネミティブにも。



今。



リナにも。



選ばせる。



でも。



選択肢を。



置いたのは。



自分。



青年は。



闇へ。



一歩。



下がる。



リナが。


「待って!」



青年は。


止まらない。



角。



曲がる。



路地の外から。



人の声。



一瞬。



見えなくなる。



そこで。



顔を戻す。



頬の奥。



熱い。



ぐ。



皮膚。



戻る。



喉。



狭くなる。



一度。



息が詰まる。



「……っ」



壁へ。


手。



呼吸。


少し。


荒い。



(どうだった)


「何が」


(見つけてほしいんじゃなかったの)


青年は。


壁から。


手を離す。



「まだ」


(何を待ってるの)



青年は。



答えなかった。



* * *



次に。



ラドの顔で。



出た時。



リナは。



質問を。



用意していた。



青年には。



見た瞬間。



分かった。



目。



呼吸。



足。



立ち位置。



今日は。



怯えているだけではない。



確認。



しに来ている。



「覚えてる?」


「何を」


「私が」


一拍。



「初めて銃撃った日」



青年は。



笑った。



「ああ」



知っている。



記録。



周りから拾った話。



ラド本人の。



断片。



「何て言った?」


「誰にも言うな」



リナの目。



動く。



当たった。



でも。



違う。



その顔が。



そう言っている。



「その前」


青年の笑み。



僅かに。



薄くなる。



「前?」


「私」


リナの指。



服の端。



握る。



「何て言った?」



青年の中。



探す。



出来事。



ある。



結果。



ある。



ラド。



銃。



リナ。



でも。



途中。



二人だけが。



覚えている。



どうでもいい。



小さな一言。



ない。



一秒。



青年は。



リナの目を見る。



二秒。



「覚えてない」



リナの指から。



血の気が。



引いたように見えた。



(知らない)


「うん」


(負けた?)


青年は。



まだ。



笑う。



「まだ」



リナが。



青年を見る。



真正面。



「疑ってる」



即答。



青年は。



怒らない。



むしろ。



少し。



笑った。



「それでいい」



また。



リナの顔。



変わる。



「またそれ」


「何」


「自分で見ろとか」


息。



「決めろとか」



青年は。



黙る。



「ラド兄なら」


一拍。



「そんな言い方しない」



青年の胸。



小さく。



痛む。



「じゃあ」



口が。



先に。



動いた。



「どう言う」



リナの顔が。



強張った。



青年自身も。



一拍遅れて。



気づく。



今。



教えさせようとした。



ラドなら。



どう言うか。



リナの記憶から。



盗もうとした。



(君)


「分かってる」


リナが。



眉を寄せる。



「何?」


「何でもない」



リナは。



一歩。



下がる。



「……もう帰る」



青年は。



追わない。



背中。



見る。



小さい。



でも。



歩いている。



逃げている。



違う。



集めている。



違和感を。



一つずつ。



(嬉しい?)



青年は。



少し。



考えた。



「……ちょっと」


(怖い?)



青年は。



今度は。



少しだけ。



正直に。



「うん」



* * *



リナは。



その後。



北へ行った。



青年は。



知っていた。



止めなかった。



女。



火傷した若者。



別の男。



顔は。



全部。



違う。



でも。



置かれている話は。



同じ方向。



RATが割れている。



内部で揉めている。



北は。



もう。



黙っていない。



青年が。



全部を。



一人で。



やったわけではない。



本当に。



情報を運ぶ人間。



いる。



噂に。



自分の恨みを。



足す者。



いる。



青年が。



顔を借りたことも。



ある。



誰かが。



青年の置いたものを。



勝手に。



大きくしたことも。



ある。



どこから。



どこまで。



自分なのか。



青年にも。



少し。



曖昧だった。



リナは。



北で。



その話を聞く。



違う顔。



違う声。



同じ方向。



そして。



繋げる。



もし。



一人が。



顔を。



変えられるなら。



全部。



青年は。



遠く。



建物の影。



そこから。



リナが戻るのを見た。



服。



泥。



裾。



呼吸。



速い。



でも。



一番。



変わったのは。



目。



青年は。



壁から。



離れる。



「見つけた?」



リナの肩が。



跳ねる。



青年は。



すぐ。



ルイスの顔。



いつもの。



軽さ。



「リナ?」



一歩。



近づく。



「顔色悪いよ」



リナが。



一歩。



下がる。



「平気」


「そう?」



青年は。



柔らかく。



言う。



それが。



余計に。



リナの顔を。



固くする。



(怖がられてる)


「知ってる」


(やめる?)


青年は。



リナの目を見る。



そこ。



答えの。



手前。



もう。



見えている。



「まだ」



# 第十四章 一秒


リナが。



旧倉庫を選んだことを。



青年は。



前の日から。



知っていた。



わざと。



調べたわけではない。



少なくとも。



最初は。



カイルと話す声。



途切れる。



会話。



隠した紙。



歩く方向。



持ち出した銃。



一つ。



一つ。



見れば。



十分だった。



(行く?)


「行くよ」


(何で)


「呼ばれてるから」


(誰に)



青年は。



少し。



考える。



「たぶん」


一拍。



「リナに」


(呼ばれてない)


青年は。



歩き出す。



「そういう意味じゃない」



* * *



旧倉庫。



昔。



RATが使っていた。



天井。



高い。



梁。



錆。



何本もの。



吊り布。



風が入るたび。



ゆっくり。



揺れる。



壁際。



使われなくなった棚。



木箱。



空の瓶。



崩れた机。



埃。



古い油。



湿った木。



出口。



正面。



奥。



横。



細い通路。



少ない。



逃げるには。



向いていない。



だから。



リナは。



ここを選んだ。



青年は。



入口から。



一度。



見る。



距離。



棚。



布。



死角。



出口。



それだけで。



分かる。



(罠)


「うん」


(入るの)


「うん」


(君)


声。



少し。



呆れる。



(そういうの好きだね)


青年は。



壁へ。



手をつく。



「今回は」


一拍。



「そうでもない」



顔。



変える。



ラド。



皮膚。



動く。



頬。



顎。



鼻。



喉。



低く。



重心。



少し。



前。



歩幅。



肩。



合わせる。



でも。



以前より。



痛い。



右のこめかみ。



ずき。



鼻の奥。



熱。



「……っ」



青年は。



指で。



鼻の下。



触れる。



まだ。



血はない。



(戻れる?)


「戻るよ」


(本当に?)


青年は。



手を離す。



「今日は質問多いね」


(君が答えないから)



青年は。



扉へ。



手。



ぎい。



開く。



中。



リナ。



一人。



銃。



青年へ。



向いている。



手。



震えている。



「来ないで!」


「リナ」


「そこ」



声。



掠れる。



「止まって」



青年は。



止まる。



距離。



七歩。



吊り布。



右。



棚。



左。



リナ。



中央。



青年の目。



一度。



周囲を。



なぞる。



(ネミティブ)


「来る」


(分かるの)


「カイルが呼ぶ」


(仕込んだ?)


「してない」


(じゃあ)


青年は。



リナを見る。



「リナが」


一拍。



「そうする」



そこまで。



読んでいた。



リナが。



銃を。



握り直す。



「質問する」


「いいよ」


「左耳の傷」



青年は。



ラドの顔で。



少し笑う。



「これ?」


「ついた日」


「覚えてる」


「そのあと」


リナの目。



青年から。



離れない。



「私らに何て言った?」



青年の中。



記録。



断片。



聞いた話。



候補。



いくつか。



確信。



ない。



「気にすんな」



リナの目が。



変わる。



冷える。



「違う」


青年は。



肩を。



僅かに。



上げる。



「昔だからな」


「ラド兄」


「何」


「ネミティブのこと」



一拍。



「普段」


一拍。



「名前で呼んでた?」



青年は。



止まる。



ラド。



名前。



呼ぶ。



でも。



荒れた時。



違う。



もっと。



雑。



青年は。



その形を。



探す。



「呼んでたよ」



リナの目。



完全に。



冷えた。



「嘘」



青年の胸。



一度。



跳ねる。



(当てられた)


「まだ」


(何を待ってる)



リナの右手。



銃。



もう。



握っている。



なのに。



もう一度。



握り直した。



「お前」


青年の視線。



その指へ。



一瞬。



落ちる。



「誰」



外。



足音。



青年の目が。



扉へ。



動く。



一人。



二人。



速い。



ネミティブ。



カイル。



(来た)


「うん」



青年は。



今度は。



笑わなかった。



* * *



扉。



開く。



ネミティブ。



入る。



そして。



止まる。



ラド。



いる。



リナ。



銃。



向けている。



「ネミティブ!」


リナが。



一瞬だけ。



振り返る。



「こいつ!」



青年は。



動かない。



ネミティブの目。



ラドの顔へ。



長く。



止まる。



青年は。



その視線を。



受ける。



「左耳」


リナが。



早口。



「そのあと」


一拍。



「ネミティブに何て言ったか聞いて」



ネミティブ。



青年を見る。



青年。



答え。



探す。



記憶。



ない。



でも。



近い言葉。



作る。



「心配すんな」



ネミティブの顔。



僅かに。



変わる。



青年には。



分かる。



違う。



「ほら!」



リナの声。



倉庫へ。



響く。



「違うでしょ!」



ネミティブは。



まだ。



動かない。



「まだ」


リナが。



目を見開く。



「まだ!?」


「確認してる」


「何個!」


リナの声。



震える。



「何個間違えたら信じるの!」



青年は。



その言葉を。



聞く。



ネミティブ。



自分で。



見る。



確認。



決める。



青年が。



育てた。



癖。



今。



それが。



リナを。



止めている。



胸。



冷たい。



(君のせい)


青年の口が。



小さく。



動く。



「分かってる」


ネミティブが。



見る。



「何?」


青年は。



すぐ。



顔を戻す。



「何でもない」



一歩。



青年が。



動く。



リナの銃口。



跳ねる。



「動かないで!」


青年は。



止まる。



両手。



見える位置。



「分かった」


「そこにいて」



青年の目。



周囲。



走る。



吊り布。



棚。



出口。



ネミティブ。



リナ。



カイル。



全部。



一瞬。



(逃げる?)


「……」


(イース)


青年の奥。



痛み。



強くなる。



「分かってる」



顔。



限界。



頬。



熱い。



皮膚。



僅かに。



波打つ。



ラドを。



保つ。



頭痛。



ずき。



ずき。



長くは。



無理。



青年は。



吊り布の近くへ。



ほんの少し。



体重を。



移す。



リナ。



すぐ。



反応。



「動かないでって言ってるでしょ!」


「動いてないよ」


「動いた!」


「半歩」


「同じ!」



リナの注意。



足。



青年の靴。



その先。



棚の脚。



青年のつま先。



ほんの少し。



触れる。



力。



わずか。



がた。



棚。



揺れる。



リナの目が。



一瞬。



そちらへ。



「っ!」



ネミティブも。



見る。



青年は。



もう一度。



体重を。



ずらす。



がたんっ。



棚。



倒れる。



吊り布。



巻き込まれる。



ばさっ。



埃。



風。



布。



視界。



切れる。



一秒。



青年の頬。



崩れる。



二秒。



鼻。



目。



髪。



ラド。



ルイス。



その途中。



どちらでもない。



顔。



青年は。



止めようとする。



頬へ。



手。



届かない。



身体の中。



勝手に。



戻る。



リナだけが。



布の隙間。



そこ。



見ている。



目。



見開く。



青年と。



目が合う。



一秒。



それだけ。



布が。



落ちる。



そこに。



いる。



ルイス。



ネミティブが。



完全に。



止まる。



「……は?」



リナが。



叫ぶ。



「今!」



銃。



青年へ。



「今変わった!」



ネミティブ。



ラドがいた場所。



ルイス。



見る。



「何」



青年は。



混乱した顔を。



作る。



考えるより。



早い。



身体が。



勝手に。



仕事へ戻る。



眉。



呼吸。



肩。



「ラドから!」


「……」


「こいつに変わった!」



青年は。



眉を寄せる。



「何言ってるの」


(嘘)


青年の奥。



すぐ。



声。



「今は黙って」



リナが。



ネミティブを見る。



「見たでしょ!」


ネミティブの目。



青年。



布。



倒れた棚。



また。



青年。



「リナ」


声。



低い。



「俺は見てない」



リナの顔が。



崩れる。



「一秒だよ!」


「棚で」


「一秒!」


「分かってる」


「じゃあ!」


ネミティブは。



言葉を。



探す。



「変わるところは」


一拍。



「見てない」



青年の胸。



痛む。



これも。



自分が。



作った。



見て。



確かめる。



自分で。



決める。



誰かに。



決めさせない。



そのルール。



今。



リナを。



一人にしている。



* * *



リナは。



泣いていた。



銃。



青年へ。



向けたまま。



手。



震える。



涙。



頬。



「ネミティブ」


ネミティブは。



答えない。



「一回だけ」



リナは。



息を吸う。



声。



震える。



「私の判断」


一拍。



「信じて」



青年の中。



何かが。



止まった。



青い紙。



小さい硬貨。



甘い菓子。



冷たい風。



閉めてください。



0。



選ぶ。



言う。



青年は。



待った。



あの時。



0が。



自分で。



言うまで。



待った。



ネミティブは。



違う。



見る。



確かめる。



自分で。



決める。



それを。



青年が。



教えた。



「私が間違ってたら」


リナは。



銃を。



少し。



下げそうになる。



でも。



止める。



「下ろす」



涙。



落ちる。



「こいつが」


青年を見る。



「何もしなかったら」



一拍。



「私が謝る」



ネミティブへ。



ルイスへ。



「だから」



銃口。



揺れる。



「少しだけ」



リナの声。



小さくなる。



「私に」



一拍。



「決めさせて」



青年の喉が。



固くなる。



(イース)


「……」


(聞こえた?)



青年の目。



少し。



伏せる。



「うん」


(同じだね)



何が。



聞かなくても。



分かる。



0。



リナ。



選ばせて。



自分で。



決めさせて。



青年は。



銃を見る。



リナ。



ネミティブ。



倒れた棚。



揺れが。



まだ。



完全には止まっていない。



吊り布。



ゆっくり。



戻る。



青年は。



初めて。



自分が置いたものを。



順番に。



見る。



噂。



顔。



違和感。



選択肢。



確認する癖。



疑い。



全部。



自分が。



ここまで。



運んだ。



でも。



最後。



リナが。



言った。



自分で。



決めさせて。



青年は。



その言葉に。



初めて。



少し。



怖くなった。

第十三章「見つける側」/第十四章「一秒」でした。

今回は、これまで人を見て、癖を拾い、選択肢を置いてきた青年が、逆に見つけられる側へ回る話です。

リナは最初から答えを持っていたわけではありません。

座り方。

目を細める癖。

返事までの間。

ラドなら言わない言葉。

一つずつ拾っていきます。

青年も、それに気づいています。

だから隠し切るのではなく、むしろ試す。

「見つけられるなら、見つけてもらおうかなって」

この時点では、まだ遊びの延長でもあります。 KillerWorld_イース編_第十三章_第十四章

ただ、リナが本当に核心へ近づき始めると、少しずつ青年の側にも怖さが出てきます。

特に今回の大きなところは、リナに対しても青年が、

「自分で見ろ」

「決めるのはお前だ」

と言ってしまうことです。

0には、本当に選んでほしかった。

ネミティブには、自分で選んだと思ってほしかった。

そしてリナには、自分を見破るための選択肢まで置いてしまう。

同じ言葉なのに、相手によって意味が全部変わっています。 KillerWorld_イース編_第十三章_第十四章

そして旧倉庫。

リナは、記録にも残らないような二人だけの記憶を使ってラドの偽物を見抜きます。

最後には、顔が崩れる一瞬まで見る。

けれどネミティブは見ていない。

なぜなら彼は、青年からずっと教えられてきたからです。

見ろ。確かめろ。自分で決めろ。

そのやり方が正しいと思うようになったからこそ、今度はリナの言葉を信じられない。

青年が育てたものが、完全に自分へ返ってきます。 KillerWorld_イース編_第十三章_第十四章 KillerWorld_イース編_第十三章_第十四章

そして最後。

リナは、

「私の判断信じて」

「少しだけ、私に決めさせて」

と言います。

0の時、青年は選択を待てた。

でも今回は、選ぶ相手の答えが自分にとって都合の悪い答えかもしれない。

ここで初めて青年は、

「選ばせる」という行為そのものを怖いと思う。

この一言が、次の展開へそのままつながっていきます。

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