第895話 エメラルドの邂逅18
*
お店が開くとどんどんと人が雪崩れ込んでくる。
「いらっしゃいませ!」
クレハが笑顔で接客をする。
私も頑張らなきゃ……
「い、いらっしゃいませ!」
私のバカ。初っぱなから噛んでしまった。
「エメレアちゃん、声出てるから大丈夫だよ! 自信持っていこう!」
クレハが私をフォローしてくれる。
スッゴく助かる。
「おや? 見かけない顔だね。新人さんかい?」
お客のお爺さんが私を見て優しく問いかける。
「は、はい! 今日からお世話になってます。エメレア・エルラルドと申します!」
「ジョンお爺さん、いらっしゃいませ! エメレアちゃんは私のお友達なんだよ」
「こんにちは。クレハちゃん。そうかい。お店に来るのがまた楽しみになっちゃったなぁ。エメレアちゃん、宜しくお願頼むよ」
そう言うとジョンお爺さんはパンを選びに行った。
その後は手が足りないくらい忙しかった。クレハがレジを打ち、私がその横でパンを紙袋に入れる。パン屋の奥さんはと言うと売れたパンの補充をし、店主さんはどんどんと追加のパンを焼いてる。
「揚げパン♪ 揚げパン♪」
「あ、ほら、ガリー! お店ではしゃがないの」
「ふふ、慌てなくても揚げパンは逃げませんよ」
「えー、でも、売り切れちゃうかもじゃん」
入ってきた三人の人物に視線が集まる。
「す……〝スマイル〟だ……」
「世界最強の冒険者バーディーが何故ここに」
「ソフィア様、マジ女神」
世界最強冒険者パーティー〝スマイル〟──私でも知ってる超有名人だ。
リーダーは凖勇者ニールス・アスプレイさん。とっても強いらしい。
「すいません。こちらをいただけますか?」
「あ、はい。お包みしますね」
ソフィアさんがパンをおぼんにのせレジに来る。
「ありがとうございます。10個で銀貨2枚になります!」
揚げパン3個、バケット2個、チーズパン2個、サンドイッチ2個、食パン1個を私は丁寧に包む。
ちょっと時間かかっちゃったかな? と、思ったけど、ソフィアさんは綺麗な笑顔で「また来ますね。かわいい小さな店員さん」と、言って、その場を去って行った。
お昼時間のピークを過ぎた13の刻になってもお客さんはまだ途切れない。
「クレハ、せいが出るな。これを貰えるか?」
金髪の大きなポニーテールの16歳ぐらいの女性が親しげに、クレハに声をかける。
「システィアお姉ちゃん! いらっしゃいませ」
「お姉ちゃん!? クレハ姉妹いたの?」
「血は繋がらないけどお姉ちゃんなの」
「そ、そうなの?」
色んな関係があるんだなー。
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