第892話 エメラルドの邂逅15
「実は──」
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私はこの街に来た経緯をクレハたちに話した。最高貴族のこと、兄さんが殺されたこと。
「そんなことが……」
「エメレアちゃん可哀想……」
「あの国は黒い噂があったけど事実だったんだねぇ」
ひくっ、ひくっ、と、私は泣いてしまう。
「クレハ? どうしたんだい?」
「怒った! 私〝シルフディート〟に抗議に行ってくる!」
うおぉぉぉ! と、立ち上がるクレハ。
「クレハ。気持ちは分かるけどダメだよ。私たちには戦力も権力もない。あしらわれるどころか、下手をしたら捕まってしまう」
「でも、エメレアちゃんが……可哀想すぎるよ」
「クレハ、ありがとう。気持ちだけで十分よ」
クレハも泣いていた。
何て優しい人なんだろう。
「エメレアちゃん、何か困ったことが言ってね」
「もう十分過ぎるぐらい助けられてるわ」
兄さん、私、頑張れるかも。
「エメレア、クレハ、そろそろ夜も遅くなってきたから寝なさい」
優しく言うお婆ちゃん。
時間は10の刻半と言ったところだ。
私もそろそろ眠くなって来た。
「エメレアちゃん、部屋に案内するね」
「あ、はい。ありがとうございます。グレンさん」
角部屋に案内される。
「ここだよ。狭いけどこの部屋が今日からエメレアちゃんの部屋だよ」
全然狭くない。
ベッドや勉強机まであった。
「ねぇ、エメレアちゃん。私も一緒に寝ていい?」
クレハがワクワクと言った感じで質問して来る。
「ええ、勿論!」
やった! と、クレハが跳び跳ねると自分の枕を持ってくる。
「じゃあ、皆さんお休みなさい。今日は本当にありがとうございました」
グレンさん、オトハさん、お婆ちゃんはそれぞれ。気にしなくていいんだよ。とか、これからよろしくね。とか、孫が増えちゃったねぇ。と、言いながらお休みなさいと言ってきた。
クレハと部屋に入りベッドに潜り込むと、何とも言えない、気持ちいい感触が全身を包む。
シングルベッドだが、クレハと二人で丁度のサイズだ。
「えへへ、エメレアちゃん、お泊まり会だね」
「そうね。楽しいわ。私、兄さんとしか寝たこと無いからちょっと照れくさい」
「私も家族としか寝たこと無いから。スッゴく新鮮♪」
その後もクレハと寝るまでたくさんお話をした。私にお友達ができる何て夢にも思わなかったな。まだ行って無いけどパン屋の仕事も決まった。クレハたちには感謝しても感謝しきれない。
そんなことを考えてる内にクレハも寝落ちし、私もこの気持ちいいベッドの誘惑に負け朝まで泥のように眠りに落ちた。
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